カイロでのハマスとイスラエルの交渉:予想より多くの人質が既に死亡の懸念も 2024.4.11

交渉にあたっているイスラエル諜報機関モサドのバルネア長官 Mr. Barnea participated in cease-fire talks in Qatar on Monday.Credit...Amir Cohen/Reuters

エジプトで行われているハマスとイスラエルの人質交換、停戦に関する交渉は、時に希望的と報じられたり、やはり、合意には程遠いという記事がでるなど右往左往しており、まだ確実な先行きは見えていない。

ただ、交渉が決裂するよりは、継続されていること自体が、いいサインだとの見方もある。

イスラエルが今も生きていると見ている人質は100人で、このうち、第一段階として、女性や子供、高齢者や病人など40人を返還することで交渉が行われている。

しかし、イスラエルが代わりに解放するのが、凶悪犯を含むテロリストであることや、イスラエル軍の撤退、ガザ民間人の北部への帰還など、さまざまな問題で、合意に至っていない。

これに、今、イスラエル軍による攻撃で、イシュマエル・ハニエの息子3人と孫4人が死亡したことで、交渉がさらに頓挫する可能性も懸念されている。

こうした中、NYTが伝えたところによると、ハマスが、交渉の調停者に、人質40人を出すことができないと報告したという。もしかしたら、予想しているより、多くの人質がすでに死んでいる可能性が懸念されている。

www.nytimes.com/2024/04/10/world/middleeast/israel-hostages-hamas-ceasefire.html

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。