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イスラエルはガザでの戦闘から6ヶ月になろうとしている。しかし、ハマス撃滅を達成にはまだほど遠く、人質の奪回への希望も見えない中、政府は、ハマスとの交渉に強気姿勢を続けている。
こうした中、イスラエル国内では、政府に対する不審感が、高まりを見せている。
人質家族が政府に解散・総選挙求めるグループと協力を宣言
これまで、人質家族たちは、テルアビブなどで毎週土曜日の安息日明けに、政府に交渉に応じるようにと訴えるデモを行ってきた。
しかし、30日(土)、家族たちはデモを終えると宣言。31日から4日間、エルサレムのクネセト(国会)周辺で、ネタニヤフ首相の退陣と早期の総選挙を求めるデモを行うと発表した。
これまでは、人質家族のデモと、政府解散を求めるデモは、別のものとされてきたのだが、これからは、一体となって、政府に訴えるということである。
31日、夕方から、エルサレムのクネセット周辺に集まった人々は10万人規模で、10月7日以降に行われたデモの中では最大となった。
デモは4日間続く予定で、国会周辺には泊まり込みのテントが並んでいる。
100 אלף מפגינים בירושלים.
בחירות עכשיו, את כולם עכשיו.קרדיט: אמיר גולדשטיין pic.twitter.com/0GR4xNsDnm
— yayafink (יאיא פינק) (@yayafink) March 31, 2024
デモの先頭には、様々な反政府グループが立ち、「この国は繁栄していたのに、一人の男(ネタニヤフ首相)とその仲間によって崩落させられた」と主張した。
ラピード前首相は、「ネタニヤフ首相は、政権にとどまることしか考えていない。超正統派の従軍を阻止しようとしているのもそのためだ」と非難した。また政府が、この混乱の時に、4月7日から5月19日まで閉会を予定していることにも非難が殺到した。
www.timesofisrael.com/tens-of-thousands-throng-knesset-at-start-of-4-day-protest-against-government/
一部のデモ隊は、主要道路であるべギン・ハイウェイに移動し、タイヤに火をつけるなどして、通行妨害になったため、警察が出て、放水するなどの衝突となった。
この時に少なくとも2人が身柄を拘束された。なお、この前日のテルアビブでのデモでは、12人が逮捕される事態になっていた。
主要なデモが終わると、クネセトの周りには、多数のテントがたてられて、人々が座り込みを開始した。今日も同様のデモが行われる予定である。
反政府・総選挙グループに加わらない人質家族も
上記のように、人質家族たちは、政権交代が必須と考えたわけだが、すべての家族がこれに賛同したわけではない。人質交渉の前進を求めるデモと、政権交代を求めるデモは別にしておくべきだと考える人もいる。
兄をハマスの人質にとられているアビブト・ヤブロンカさんは、2種類の訴えが、ごっちゃになり、いったいどこへ向かっているのかわからなくなるとして、家族の声は、非政治的であるべきだと考えている。