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ナセル病院での戦闘で2人戦死
ガラント防衛相によると、15日からイスラエル特殊部隊が突入している、ハンユニスのナセル病院では、ハマス20人が死亡した他、これまでに武装ハマスが、合計で200人あまり投降している。
ナセル病院で逮捕したハマスの中には、10月7日の虐殺に直接関わっていたテロリストたちが含まれていた。また、投降者の中の70人あまりは、病院職員の服装だった。
投降する際、ハマス戦闘員らは、すべての武器をおいて、まさに白旗を上げる状態で、もはや戦闘意欲を放棄した状態だったと伝えられている。
しかし、ここでの激しい戦闘で、昨日、空挺部隊のシモン・シュロモヴ軍曹(20)写真左)の戦死。
また、先週、ハンユニスでの戦闘で重傷を負ったマオズ・モレル軍曹(22)が死亡した。ガザでの地上戦が始まってからの戦死者は236人となった。
ナセル病院で発見されたもの
ここは病院だが、RPGを含む大量の武器や、虐殺当時に使われた複数の車両や、ニール・オズから略奪したイスラエルの車も見つかった。ハマスの車両の中には、手榴弾などの武器も見つかった。
また驚いたことに、イスラエルから人質の名前で送られた医薬品もみつかった。箱にはわかりやすいように人質の写真も貼ってある。それらは使われないままであった。
また、イスラエル軍は、ハンユニスに連れて来られるビバスさん母子の様子を捉えた監視カメラの映像を確保した。母親のシリさんが、武装ハマス数人に囲まれて、アリエル君(4)とクフィルちゃん(9ヶ月)を抱いて歩いている。データは10月7日である。今、3人がどうなっているのかは、不明で、ハガリ報道官は、深く懸念すると語っている。
🔴Footage from Oct. 7 of Shiri Bibas with her 4-year-old child and 9-month-old baby covered in a sheet, being transported by their terrorist kidnappers in eastern Khan Yunis: pic.twitter.com/GPOCxYts6Q
— Israel Defense Forces (@IDF) February 19, 2024
なおシリさんの夫で子供たちの父親は、離れて拉致されており、今も人質とみられている134人の1人に入っている状態にある。
シンワルはじめ、ハマス戦闘部隊の総司令官とその副官はまだ発見されていない。人質134人の手がかりもつかめていない。おそらくはラファにいるとみられている。
ガザのパレスチナ民間人の犠牲とイスラエルの対処
アルジャジーラの報道によると、ナセル病院での戦闘で、電気、給水が停止し、酸素不足で集中治療室の患者7人が死亡したとのこと。病院内にはまだ200人の患者がいるが、WHOすら中に入れないと言っている。BBCなどは、完全な機能不全に陥っていると伝えている。
しかし、イスラエルは、作戦を前に、病院とは十分に連絡を取り、医療機器を移送させ、酸素や電気系統の確保も行って、逃げられない患者を無理に退避させる必要がないと伝えていたという。その他の患者については、退避回廊を設置したので、退避を促すメッセージをアラビア語で伝えていた。
また、作戦は大規模な空爆ではなく、諜報部のかなり的確な情報と、優秀な特殊部隊による集中的な作戦とし、できるだけ、民間人への被害が出ないようにする対策をおこなっていると、IDFのハガリ報道官は語っている。イスラエルはガザの民間人が被害を受けることは求めていないと強調している。
以下は、作戦後、ナセル病院に人道支援物資を搬入するイスラエル軍の様子
As IDF operations continue in Nasser Hospital:
🔴 IDF troops uncovered medications with the names of Israeli hostages inside the hospital along with weapons.
🔴 A report was received regarding the failure of electrical systems within the hospital. Our troops worked to repair… pic.twitter.com/S6Wpd3F6Re
— Israel Defense Forces (@IDF) February 16, 2024
また、2日間続いたナセル病院での戦闘の後の18日、イスラエル軍はWHOのゲブレイソ酢長官によるナセル病院での視察を受け入れた。ゲブレイソス長官によると、重傷患者14人が転院しており、病院には180人の患者と医療スタッフ15人がいたと報告した。
なお、ガザ保健省(ハマス)によると、これまでに死亡したパレスチナ人は2万9000人を超えた。この数字に民間人戦闘員の区別はないので、半分近い1万2000人が戦闘員ということになる。
ガザに残存するハマス戦闘部隊について
ガザでは、ハンユニスと並行して、ガザ中央部でも激しい戦闘が続いている。中央部ではこれまでにハマス15人が死亡。現時点で、まだガザに残っているハマス部隊は、ガザ中央部に6大隊、ラファに4大隊とみられている。
www.timesofisrael.com/gallant-hamas-seeks-to-replace-sinwar-khan-younis-brigade-is-defeated/
ハマスが、ロイターなどのメディアを通じて、これまでに6000人の戦闘員が死亡したとの考えを、はじめて明らかにした。しかし、イスラエルは。死亡したハマスは1万2000人と倍にみている。
このように、ガザのハマス武装勢力は、解体に近づいている上、数週間前からトップであるヤヒヤ・シンワルとの連絡がとれなくなっている。
ヒズボラは北部でハマスを応援するとイスラエルへの小ぶりの攻撃を続けているが、それ以上にはならず、イランが踏み込んでくる様子も、今の所、みえてはきていない。
カタールなど海外に住んでいるハマスの指導者たちが、シンワルに変わる指導者を模索しているようだとガラント国防相が語っている。
戦場にいるメシアニックジュー約800人
Jerusalem Institute of Justice(エルサレムの司法研究所)のスタッフでメシアニックジューの、モニク・ビードルさんによると、わかっているだけで、800人のイエスを信じるユダヤ人兵士が戦場に出ているという。このうち3-4人が戦死。異邦人クリスチャン兵士も1人戦死した。