1)北部は戦闘も落ち着き傾向か:シファ病院とブルービーチホテル地下トンネル破壊完了
ガザでの戦争が始まって90日を過ぎた。イスラエル軍は、長期戦に備えるとして予備役兵5部隊を撤退させ、ガザ北部での戦闘はその頻度も少なくなっている。ガザ北部の国境4キロ以上離れている地域の住民の帰宅も話に挙がっているところである。
ハマスの抵抗が少なくなったからか、北部の学校や幼稚園での武器やトンネルの摘発は続いている。ブルービーチホテルからもトンネルが発見され、破壊を完了した。
また、以前にみつかったと発表されていた、ガザ北部海岸沿いにあるシファ病院地下の広大なトンネルシステムの破壊を完了したと発表した。なお、トンネルは破壊したが、その上にある病院自体は破壊していない。
シファ病院は、病院ながら、ハマスが指令拠点にしていた場所で、人質も一時ここに収監されていたことがわかっている。サルミヤ病院長は昨年11月に逮捕されていた。
The IDF says it has completed demolishing a Hamas tunnel network under Gaza City’s Shifa Hospital, releasing a new 360-degree video showing the underground passages.
According to the IDF, the tunnel branches under Shifa are around 250 meters in length, and reach several sites… pic.twitter.com/l0XAQ6c1Xf
— Emanuel (Mannie) Fabian (@manniefabian) January 3, 2024
2)ハン・ユニスでハマス幹部を追い詰める作戦
ガザ中央から南部においては、ハマス指導者の摘発を最優先にする戦略に重心を変えたもようである。ハマスの指令センター、ロケット発射地点、武器庫やトンネルなど、陸海空すべてから攻撃しており、攻撃地点は、1日で100箇所以上にのぼっている。
まだ多数のハマス戦闘員がいるとみられ、戦闘もかなり激しい。しかし、地上軍兵士が行く前に、十分な空爆で爆発物や罠を排除するようにしているのか、イスラエル兵の戦死の情報は減っているようである。
しかし、まだ人質に関する情報はない。人質は100人以上で、乳児もいる。いったいどこに隠しているのか。シンワルのすぐ近くに置いて、最後の盾にしようとしているのかもしれない。
一方で、空爆も増えているとなると、ガザに死者も増えつつある。アルジャジーラによると、攻撃が難民がおり、安全地帯とされるアルマワシにも爆撃があり、16人が死亡したと報じた。
今日もカン・ユニスで18人が死亡したとのこと。ガザでの死者は、2万2600人。負傷者は5万7910人に上っている。