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クリスチャンも仮庵の祭り
今年もICEJ(International Christian Embassy 国際クリスチャンエンバシー)が主催する仮庵の祭りカンファレンスが、9月29日から8日間、10月6日までの予定で行われている。参加者は、90カ国からきた福音派クリスチャンたち2000人である。
プログラムはオープニング含め2日間をガリラヤ湖で。その後5日間は、エルサレムのアリーナで、賛美や祈り、メッセージやセミナーが行われている。その間、聖書に関係のある地域へのツアーも行われた。
イエスが復活したことを覚える園の墓では、全世界からきたクリスチャンたちが共に、聖餐式を行った。6日目の10月4日には、毎年恒例となるエルサレム市内でのマーチに参加。その翌日5日は、ネゲブ地域で、JNF(Jewish National Fundユダヤ基金)とともに、連帯を表明する集会を行う。最終日の6日は、再びエルサレムのアリーナで、祈りと賛美が捧げられる。
全行程参加の費用は、裕福な国とそうでない国と、若干違いが設けられており、2199ドル(約33万円・飛行機代含まず)となっている。オンラインでも参加でき、その場合の参加費は50ドル(7500円)となっている。
仮庵の祭りは、ユダヤ人が祝うユダヤ教の例祭である。なぜクリスチャンが祝うのかというと、以下の聖書のことばに基づいている。
エルサレムに攻めて来たすべての民のうち、生き残った者はみな、毎年、万軍の主である王を礼拝し、仮庵の祭りを祝うために上って来る。(ゼカリヤ書14:16)
異教徒を嫌うユダヤ教徒:クリスチャンに唾を吐いた5人が逮捕
無論、これを快く受け入れていないユダヤ教徒もいる。特に超正統派など右派系のユダヤ人の中には、クリスチャンはユダヤ人を強制改宗しようとしていると訴え、小規模ではあったが、反発を表明するデモは発生していた。今年も同様のデモがあったとのこと。
エルサレムでは、旧市街で、仮庵の4種の植物を持っている正統派ユダヤ教徒の群れと、実物大十字架を担いでいるキリスト教巡礼者たちが、ビアドロローサ(十字架の道)ですれ違う際、ユダヤ人たちが、クリスチャンに唾を吐く様子が、防犯カメラに写って、物議となった。
קבוצה של צליינים יוצאת עם הצלב לרחוב שער האריות ונתקלת בקבוצה של מתפללים יהודים עם 4 המינים ואז מתחילות היריקות. ספרתי לפחות 7 בכמה שניות. pic.twitter.com/YjqaknATLw
— نير حسون Nir Hasson ניר חסון (@nirhasson) October 2, 2023
これに対し、カトリックのバチカンが、激怒する声明を出したため、警察はこれまでに、クリスチャンたちに唾を吐いたユダヤ人5人を逮捕している。
イスラエルとしては、確かにユダヤ人への強制的な宣教はお断りであるし、最近では、非ユダヤ人の滞在ビザを出さない傾向にある。しかし、同時に、世界に反ユダヤ主義が拡大する中で、福音派のように、政治的にもイスラエルを支持するクリスチャンは貴重でもある。今年もICEJの仮庵では、ネタニヤフ首相と、ヘルツォグ大統領が、それぞれ歓迎のメッセージを送っている。
ゼカリヤ書を交えて、仮庵を祝いにエルサレムに来たクリスチャンたちに歓迎を表明するヘルツォグ大統領。何か悲壮感表情が気になるが。。
ネタニヤフ首相の挨拶 わずか17秒。表情はお疲れの様子。これまでと違い、一応。。という感じは否めないかもしれない。
68回目ICEJのエルサレム・マーチ:歓迎するエルサレムの市民たち
4日(水)午後は、エルサレム・マーチの日であった。エルサレム・マーチは、クリスチャンだけが、市内をマーチするのではない。イスラエル国内のさまざまな団体もその旗を振りかざして、マーチする。
イスラエルと福音派の関係が微妙になる中ではあったが、マーチそのものには、大勢のイスラエル人が集まり、イスラエルに愛を叫ぶクリスチャンたちに笑顔で握手する人々もいた。子供たちは、参加者が配る、それぞれの国の小さな国旗を集めて回る様子もあった。
エルサレムポストによると、その始まりは、1955年に行われた、イスラエル兵200人と市民70人による、4日間かけてエルサレム位至るというプログラムであった。このプログラムは2年ごとに行われ、最大イスラエル兵5000人が参加すようになった。
これにクリスチャンが加わったのは、ICEJが設立された1980年以降である。
www.jpost.com/israel-news/article-761404
石のひとりごと
ICEJのプログラムは、若干右寄り、政治的といったイメージの否定できないが、実に全世界から80とも90とも数えられる国々かに、イエス・キリストを救い主と告白するクリスチャンがいるということに、毎年感動を覚える。
イエス・キリストは、日本でいえば弥生時代に遡る昔にエルサレムで十字架にかかって死に、そしてよみがえったとされる人物である。そこからいったいどうやって、これほどまでに拡大し、2000年たってもまだ、拡大し続けているのである。
日本のクリスチャン人口は、わずか1%に満たないが、世界人口79億人の3分の1以上が自分はクリスチャンだと考えている。それを考えても、イエスがただものでなかったということがわかるのではないか。
確かに、池上彰さんが言うように、“日本人だけが知らない世界の教養「聖書」なのである。(聖書がわかれば世界が見える(池上彰氏著・SB新書)より)