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イスラエル軍の予備役兵たちが従軍拒否という動きがある中、イスラエル軍は、西岸地区で強行にテロリストに“倍返し”する勢いにある。入植者がパレスチナ人に暴力を振るう事件も報告されている。
7日・ジェニンでフワラのテロ事件犯人含むパレスチナ人6人と、巻き添え14歳少年も死亡
7日、2月26日に西岸地区フワラで、イスラエル人ハレルさん兄弟2人(19歳、21歳)を殺害したテロリストを追っていたイスラエル軍は、ジェニンで、その犯人を追い詰め、その時の戦闘で、パレスチナ人を含む6人が死亡。26人(12人は重症)が負傷した。イスラエル治安部隊も3人が負傷したが、軽傷から中等度負傷。
以下の映像は、イスラエル軍のジェニンでの戦闘の様子。本物の戦争である。イスラエル軍は、この戦闘でドローンも使用しており、2基がパレスチナ人に撃墜されている。
Helmet camera footage – Yamam operators in the alleys of Jenin, on their way to the terrorist who carried out the terror attack in Hawara pic.twitter.com/E21kDt12tq
— Israel Police (@israelpolice) March 8, 2023
以下の写真はAFPによるものだが、この戦闘の規模の大きさを物語っている。
この戦闘で死亡した6人の中には、指名手配のフワラのテロリストで、ハマス所属のアブドゥル・ファタハ・フセイン・クロウシェ(49)が含まれていた。その息子2人は、イスラエル軍が、テロを決行した父親を助けたとして逮捕した。
この他、死亡したのは、モハンマド・ワエル・ガザウィ(26)、タリク・ジアド・ムスタファ・ナトール(27)、ジアード・アミン・ザライニ(29)、ムタシミ・ナセル・サバフ(22)、ムハンマド・アフマド・サリム・ハロウフ(22)
ハマス、イスラム聖戦は、6人の中のそれぞれに所属していたメンバーを殉教と発表した。ネタニヤフ首相は、「我々を傷つける者は、その頭にツケがくると知るべきだ。」と語った。
この夜、ガザからイスラエル南部に向かって、ロケット弾が発射され、サイレンも鳴ったが、ぎりぎりガザ地区内部に着弾したため、被害はなかった。
www.timesofisrael.com/rocket-sirens-sound-in-southern-israel-after-deadly-west-bank-raid/
パレスチナ自治政府保健省は、この戦闘で負傷した14歳の少年が、9日朝、死亡したと発表。死者は7人となった。イスラエル軍は、武装兵だけに発砲していると主張している。
意外にもアメリカのバイデン政権は、「イスラエルには自衛の権利がある」との姿勢であったという。
www.timesofisrael.com/us-backs-israeli-right-to-self-defense-after-deadly-idf-raid-in-jenin/
9日:ジェニン南部でイスラム聖戦3人死亡
9日朝、ジェニン南部のパレスチナ人の村、ジャバで、イスラエル治安部隊とパレスチナ人の衝突があり、イスラム聖戦所属のパレスチナ人3人が死亡した。
3人のうち2人は、これまでからイスラエル軍に発砲するなどしていたため、この日、イスラエル治安部隊は、変装してこの村に入って逮捕を試みた。しかし、2人ともう一人加わった3人が、走る車の中から、治安部隊に発砲してきたため、反撃して、3人は死亡した。
死亡したのは、指名手配のアフマド・ファシャフシャ(22)、スフヤン・ファコウリ(26)とナヤフ・マライシャ(25)マライシャは、先月、イスラエルの刑務所から出所したばかりであったという。
تغطية صحفية: "صور الشبان سفيان فاخوري وأحمد فشافشة ونايف ملايشة، الذين اغتالتهم قوات الاحتلال الخاصة في بلدة جبع جنوب جنين". pic.twitter.com/5EViEJc7L3
— شبكة قدس الإخبارية (@qudsn) March 9, 2023
この他、イスラエル軍はこの時に、15人を逮捕した。
今年に入ってから、パレスチナ人によるテロで死亡したイスラエル人は、14人。イスラエル軍との紛争で死亡したパレスチナ人は74人となった。
www.timesofisrael.com/3-islamic-jihad-gunmen-killed-by-undercover-forces-in-northern-west-bank/
石のひとりごと
こうしたイスラエル軍による殺戮は、BBCなど世界のメディアでも報じられている。イスラエルの政府が特に今、強硬右派政権なので、今後得に、イスラエルに対する非難は大きくなっていくだろう。過激ユダヤ人の行為も世界からの非難を呼ぶことになる。
こうした戦いを肯定しいるとの誤解がないようにと思いつも、中東ではこうした、倍返し、いやそれ以上の報復という言語でないと、相手を黙らせることが不可能ということもまた現実である。普通に欧米に住んでいる人々、ましてや、平和な日本ではとうてい理解しえないだろう。
中東では、いったん暴力の応酬がはじまってしまうと、平和主義から反撃をしないという選択は、自殺行為でしかないということなのである。
しかし、同時に、イスラエル軍の動きは最近激化しているようでもあり、それが強硬右派政権になったからからなのか、そうならざるをえないからなのかは、判断不可能である。
今の司法制度改革の反対する予備役将校たちの懸念と反発は、人間として、また軍人として、政府の右翼思想で不法な暴力に軍使われ、逆に敵の反撃を読んでしまうことに懸念と反対を表明しているということなのであろう。