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ブリンケン国務長官仲介:国連安保理への訴え取り下げ
強硬派右派政権になってから、司法制度改革と並行して物議になっているのが、パレスチナ人との関係悪化問題である。
今年に入ってから、パレスチナ人によるテロでイスラエル11人市民が死亡し、西岸地区にテロリスト、違法武器摘発を続けるイスラエル軍との衝突で死亡するパレスチナ人も50人と増えており、両者の暴力はエスカレートする傾向にある。
こうした中、ネタニヤフ政権は、テロの報復の一環として、西岸地区で違法に開拓を続ける右派ユダヤ人たちによる前哨地9ヶ所を合法化することと、西岸地区内部に1万人が住める住宅の建築を行うと発表した。東エルサレムのテロリスト実家の破壊なども検討している。
このため、パレスチナ自治政府のアッバス議長は、国連安保理に、イスラエルへの非難と、入植活動停止を命じるよう、国連安保理に訴えを起こし、安保理もその方向で、決議をするとみられていた。
しかし、これについて、アメリカのブリンケン国務長官が奔走し、アッバス議長に、イスラエルに入植活動を延期させると約束し、安保理への訴えを撤回させることに成功した。
イスラエルに対しては、今以上に西岸地区に家を増築することはむこう何ヶ月かは延期すること、東エルサレムのテロリストの家の破壊も数ヶ月延期することで合意したとのことである。しかし、あくまでも延期であって、停止ではないわけである。
3月末からは、イスラム教徒たちが熱くなるラマダンが始まることもあり、この合意がいつまで続くのかは、さだかではない。。
連立内でも不一致?:現実と極右政治家の要求との間で
これに先立つ先週16日、警察は、西岸地区に右派ユダヤ人たちによって違法に植えられていた木々1100本をすべて伐採するという措置を完了していた。これに怒りを発したのが、西岸地区担当の宗教シオニスト党、スモルトリッチ氏である。
また極右政党オズマ・ヤフディ党のベン・グビル氏は、この様子を見て、「今の政権は、完全に右派だと信じたから加わった。こんなはずではなかった。」と落胆を表明した。
この他、西岸地区の違法ベドウイン家屋の撤去や、東エルサレムのテロリストの実家破壊など、ベン・グビル氏の要求はことごとく却下されていた。さらに、テルアビブなどでの市民による反政府デモ鎮圧についても、もっと厳しい措置をとることを主張したベン・グビル氏の意見は、警察庁によって却下されていた。
極右政治家らの動きから、ネタニヤフ首相は、就任早期から、アメリカやUAEへの訪問を希望していたとのことだが、延期を余儀なくされれいるとのこと。こうした動きが続いて、もし、強硬右派政党が連立から退くことでもあれば、今の政権は崩壊ということになる。
www.timesofisrael.com/invites-for-netanyahu-to-visit-us-uae-on-hold-as-discomfort-
まったくもって、イスラエルの動きは先が読めないにもほどがあるというところか。。
www.timesofisrael.com/ben-gvir-pans-government-w-bank-policy-this-isnt-what-we-wanted-it-cant-go-on/
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