6日にトルコ・シリアでマグニチュード7.8(震度7に相当)が発生。その後も頻回に余震が発生している。必死の救出活動の中、犠牲者は増え続けており、1万5000人を超えたとの報道になっている。
この地震と関連があるかどうかは明確ではないが、この地震以来、イスラエルでも微震が3回(マグニチュード3.5、3.3、3.9)観測されている。
イスラエルの地震に対する避難警報は、マグニチュード4.5以上となっていることから、これまでのところは、警報もならず、被害も出ていない。
しかし、イスラエルでは、100年に一度ぐらいで、大地震が発生しており、現在は、すでにその時期に入っていることと、今もその対策が全然追いついていないことから、危機感が高まっている。
専門家は、「この3回の地震について特別に恐れる必要はないと思うが、イスラエルは、大きい地震が発生する地域に位置していることは覚えておいた方がよい。発生を前提に準備しておく必要はある。」と語っている。
イスラエルには、耐震基準を満たしていない建物が60万軒。この中の1600棟は、学校や教育機関だという。現在、耐震への改善が途上であると教育機関は1100棟となっている。
このままで大地震が発生すると、7000人が死亡。17万人が自宅を失うとの推測である。
また、もう一つ課題が指摘された。災害時の指揮系統が明確でないという点である。
イスラエルでは、地震災害が発生した際に、自治体などと連携しながら、指揮を担当するのは、内務省だという。しかし、現政権では、内務相に任命されていたアリエ・デリ氏が、汚職関連問題で解任され、その後、正式な後任が決まっていない状態にある。
デリ氏退陣後は、一応、同じシャス党のミハエル・マルキエリ氏が代理内務相に着任したが、Times of Israelによると、2週間前に就任以来、まだ一回も登庁していないという。ネタニヤフ首相が、あくまでもデリ氏を内務相に戻す方向で動いているので、マルキエリ氏も動きにくいのかもしれない。
この状況で、大地震が発生した場合、指揮系統がカオスになると懸念されている。今、大きな地震が発生しないよう、とりなしを。