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イスラム教ラマダンが、4月1日日没から始まった。5月1日日没まで続く。この間、イスラム教徒たちは、夕食はいつもより盛大に食べるが、それ以外は断食をして、アラーの神を思う。その間に、いろいろな例祭があり、エルサレムのハラム・アッシャリフ(神殿の丘)に祈りに大勢がやってくる。
イスラムへの献身の時となるため、イスラエルとの衝突になりやすくなる。今年は特に、ラマダンを前に、すでにイスラエル国内で3件のテロ事件が発生しており、11人もの犠牲者を出している。
イスラエルの治安部隊は、国内では相当なレベルの警戒体制をとり、またテロリストをテロ実行前に逮捕するために、西岸地区へ治安部隊がふみこみ捜査を続けており、パレスチナ人の死者が出る衝突も発生している。
エルサレム旧市街のダマスカス門でも衝突が発生しているが、3日、ラピード外相があえて、ダマスカス門を訪問して、治安部隊を激励するなど、相変わらずの緊張が続いている。
西岸地区での衝突:テロ計画中のイスラム聖戦戦闘員3人死亡
2日、ジェニン近郊に踏み込んだイスラエル軍と、車で通り過ぎようとしたパレスチナ人らとの間で激しい銃撃戦になった。この戦闘で、イスラム聖戦のパレスチナ戦闘員3人が死亡。イスラエル軍司令官1人が重傷を負った。
警察によると、3人は、M16ライフルと、30個の丸い爆弾?や手榴弾を所持しており、テロ活動のためにイスラエルへ向かっていたとみられる。また、車内からは、「イスラエルとの戦いは続けるべき」などと書いた遺書らしき手記が発見され、署名には、イスラム聖戦と書かれていたとのこと。
قُدِّر لشعبي ان ينزِف الدماء لتحيى الامة ♥️#جنين 🇵🇸 هنيئا 🥀 pic.twitter.com/JA9aiKxEa1
— Bilal | بلال (@bilal2468) April 2, 2022
ベネット首相は、大惨事を未然に防いだと発表した。なお、この戦闘で、イスラエル軍司令官1人が重傷を負ったが、意識は回復している。
www.timesofisrael.com/three-suspected-terrorists-killed-by-israeli-forces-in-west-bank-gunfight/
ジェニン近郊では、先週木曜にも、イスラエル軍との衝突があり、パレスチナ人2人が死亡している。
エルサレム旧市街でも連日衝突
ラマダンが始まった2日夜、エルサレム旧市街のイスラム地区入り口、ダマスカス門で、パレスチナ人の群衆が、治安部隊に石やガラス瓶などを投げつけたため、治安部隊は4人を逮捕した。
ラマダン2日目の夜、3日もまた、同じ様相となったため、数百人の暴徒であったため、治安部隊は暴徒鎮圧対策を行使。10人を逮捕した。暴徒はゴミ箱に火をつけたりしていた。
תיעוד נוסף מהעימותים בירושלים: מסתערבים מבצעים מעצרים בשער שכם@SuleimanMas1 pic.twitter.com/sreMxcdcgZ
— כאן חדשות (@kann_news) April 3, 2022
この日は日中、ラピード外相が、ダマスカス門を訪問し、治安部隊に対する励ましを行っていた。パレスチナ人には、大きな挑発ともとられかねない動きである。しかし、今回、イスラエル政府は、どうも強気姿勢で、この問題に対処しているもようである。
www.timesofisrael.com/lapid-tours-damascus-gate-with-police-chief-amid-ramadan-tensions/
なお、こういう衝突は通常、西岸地区のパレスチナ人居住地やその周辺、またエルサレム旧市街や、イスラエル国内のアラブ人地域で起こることがほとんどである。しかも、パレスチナ人と治安部隊の衝突は通常、短時間で、もりあがっては休憩を繰り返す感じで、いわば、危険な武器付きの大人のおいかけっこの様相である。
報道を見る限り、今回も、本格的なマシンガンや、爆弾で戦争しているわけでなさそうであり、国全体がこのような様相になり、一般庶民が危なくなっていると考える必要はない。市内では、観光客も徐々に戻っていると聞く。15日から始まる過越しの祭りに向けて、準備が進んでいる。
しかし、それは国内での相当な警備体制とともに、西岸地区などでの先回り逮捕があるからであることを忘れてはならない。事件が発生する前に、逮捕してしまうという動きの背景には、すさまじい諜報活動があるからであり、何かが起こってからでないと動かない日本の警察とは全く性質は異なっている。
このひと月ほどのラマダン中、これ以上、悲惨なテロで双方に涙が流されることがないよう、とりなしを。
石のひとりごと
この大人と大人のつかみあいの喧嘩というか・・・もうずっとこういう光景が続いている。なんとも愚かにみえるが、イスラエルとパレスチナ人の間では、えんえんと繰り返し、こういう様相が続いているのである。ほんとうにメシアがくるまで、やめられないのだろうか。聖書は次のように言っている。すべての主権者である神、創造主である主のツルのの一声を発していただきたいところである。
・・・主は、地の果てまでも戦いをやめさせ、弓をへし折り、槍を断ち切り、戦車を火で焼かれた。「やめよ。わたしこそ神であることを知れ。わたしは国々の間であがめられ、地の上であがめられる。」(詩篇46:9-10)