警察NSOスパイウェア使用疑惑:ネタニヤフ前首相の息子も被害 2022.2.9

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Israeli NSO Group company, near the southern Israeli town of Sapir (AP Photo/Sebastian Scheiner)

日本では、世界戦争が勃発するかと言った雰囲気で、ウクライナ問題や、コロナ問題、また北京オリンピックが、毎日ニュースに上がっているが、イスラエルでの今のトップ記事は、世界でも論議になった、イスラエルの会社、NSOグループのスパイウエア、ペガサスを使って、個人の携帯をハッキングするなどの違法捜査を行ったとする容疑の問題で炎上している。

いつだれの携帯が傍聴されているか、データが流れてしまう危険などがあるとして、イスラエルのテレビは、どうやってハッキングを阻止するかの方法を、広く市民に公開。それによると、iPhoneの利用者がターゲットになりやすいとして、過去に使用したフェイスタイムなどのアプリをキャンセルすることを推奨したりしている。しかし、最終的には、NSOが本気ならば、ペガサスは結局、何をしても防御できるものではないと言っている。

いずれにしても、政府などに関わりのない一般人はそう心配しなくてもいいようである。

政府は委員会を立ち上げて捜査を行っているが、調べによると、警察がペガサスを使って捜査されていたのは、ネタニヤフ前首相の息子アブネル・ネタニヤフさん他、政府関係者や、ビジネス界で著名なラミレビ社長、社会活動家など26人とされる。

このうち、特に3人のケースが違法と目されているが、最新のニュースで、このうち、2人は、ハッキングを拒否できていたとのことで、結局、被害は1人との記事が出ている。まだ詳細は不明。

www.timesofisrael.com/only-1-of-26-people-allegedly-spied-on-by-police-successfully-hacked-claims-probe/

ネタニヤフ前首相は、現在、汚職事件での審判中だが、息子のアブネルさんや、その関係者が26人の中にもあげられていることから、この違法捜査がなんらかの影響を及ぼす可能性もある。実際、この件の捜査を先にすすめるとして、9日のネタニヤフ前首相の件に関する公聴会は延期された。

この件について、コビ・シャブタイ警察署長は、警察関係者全員に手紙を出し、内部でも捜査したが、警察の行為に違反はないと確信しているとして、違反容疑は以前、否定していた。しかし、真実を追求するための政府の委員会には、全面敵意協力すると述べるとともに、国民を保護するための犯罪取締において、高度なツールを使うことの法的な保護も必要だと書いていた。

www.timesofisrael.com/police-chief-continues-to-deny-illegal-use-of-spyware-in-face-of-explosive-claims/

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。