オミクロン感染者・重症者・減少傾向:グリーンパス制限ほぼ解除 2022.2.9

スクリーンショット ILTV https://www.youtube.com/watch?v=xM1JEhJIsxw

イスラエルの感染状況

イスラエルのオミクロン感染は、実効再生産値(R)が1を下回って0.8となり、日々の感染者数は減少傾向にある。8日の新規感染者は3万8854人。しかし、陽性率は28.79%なので、実際の患者数はもっと多いと専門家は指摘する。

陽性になると仕事を休まなければならず、経済的にぎりぎりの人たちが、検査を受けないか、受けても隠して出勤する人もいるようである。

イスラエルでは、人口950万人だが、これまでにすでに328万人以上が、コロナに感染した。国民の3人に1人は感染経験を持つということである。

最終データで、現時点での重症者は1159人。ここしばらく1200人以上が続いていたので、頭打ち、または減少傾向にあると期待される。しかし、死者は、8日だけで77人が死亡。毎日40人近く死亡しており、今年に入ってからだけで、1000人以上が、オミクロンに関係する形で死亡した。

しかし、重症化する人の傾向で見ると、やはり、ワクチン接種をしていない人々の方が割合が多いという状況が見えてくる。60歳以上でワクチン接種を完了した10万人中で重症化した人は、35.9人だが、ワクチン接種をしていない60歳以上10万人中でみると、415.6人であった。

しかし、これまでに、ワクチン3回目まで終わった人は445万1193万人(接種できる人66.3%)で、世界に先がけて開始した4回目は、まだ67万8112人である。

最近は、ベネット首相もワクチン、ワクチンと言わなくなった。接種しない人の意思は変えられないことと、それで重症化したとしても、政府ができることはもうすべてしたということかもしれない。

www.timesofisrael.com/green-pass-covid-restrictions-rolled-back-amid-drop-in-case-count/

グリーンパス規制大幅解除

まだ重症者、死者は多いが、政府は、6日夜から、これまで義務付けていたグリーンパス(ワクチン接種済みかPCR陰性証明)の提示義務を大幅に解除した。

レストランやホテル、映画館などでの提示の義務は撤回され、屋内のイベントホールや、ダンスクラブなど特に感染が懸念されるような場所以外は、提示しないで、自由に出入りできるようになった。

オミクロンの新しいBA2株が出回り始めていることから、この方針に懸念を表明する専門家もいるが、もはや国民の3人に1人は感染し、3分の2はワクチンを受けている。また、治療薬も出始めていることから、政府もこの決断に踏み切ったと思われる。

イスラエル人の知人がいうには、オミクロンに感染しても構わないなら、イスラエルに来てもいいよ、という言い方であった。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。