今、英仏独中露がイランとの協議が行われている背景で、イスラエルは、世界から孤立しないよう、様々な角度から外交を展開し、イスラエルの立場を理解してもらおうとする努力が行われた。もしイランを攻撃することになった場合に備えて、イスラエルの立場を理解してもらうという意味もある。
1)ヘルツォグ大統領:訪英
ヘルツォグ大統領は、JCPOAの協議が始まる直前にイギリスを訪問。チャールス皇太子や、ジョンソン首相、イギリス議員たちにも面会し、イランは交渉に応じるつもりはないので、決して妥協(経済制裁の解除)をしないようにとのメッセージを伝えた。
www.timesofisrael.com/herzog-urges-british-lawmakers-to-remain-tough-on-iran-ahead-of-vienna-talks/
2)ラピード外相:訪英仏
続いて、ラピード外相が、11月29日から3日間かけて、イギリスとフランスを巡回した。イギリスではジョンソン首相に面会。ラピード外相は、自由を守るためには戦わなければならないとゲットーで学んでいる。イスラエルは防衛のためには戦うと伝えている。
ジョンソン首相は、最近、ハマスをテロ組織に認めるなど、イスラエルに友好的な発言をしていた。また、イランとの交渉については、「外交動力を優先するが、もしうまくいかなければその他の方法(軍事攻撃)もありうる。」と語っている。
www.timesofisrael.com/lapid-in-the-uk-fight-against-iran-hezbollah-is-good-against-evil/
続いて30日、フランスで、マクロン大統領に面会。マクロン大統領は、その前日にイランのライシ大統領と会談したばかりであった。マクロン大統領とラピード外相は、時間をかけて、イランとJCPOAとの交渉について語り合ったとのこと。
ラピード外相は、イランへの経済制裁は解除するべきではないと重ねて要請。結局のところ、イランは交渉に応じて、時間稼ぎをしているだけであり、イランの核開発をとめることができるとすれば、軍事攻撃しかないとの考えを伝えたとのことである。
3)ガンツ防衛相:訪米
ガンツ防衛相は、来週、訪米し、オースティン国防相、ブリンケン国務長官と会談する。主にイランについて話し合われるとのこと。
www.jpost.com/israel-news/defense-min-benny-gantz-to-fly-to-us-for-security-meetings-687604
石のひとりごと
イスラエルは近くイランを攻撃するだろうか。それが難しいことはイスラエルにもよくわかっている。
周囲を巻き込む大戦争になると思われるが、イランに攻撃(核攻撃)されてからの対応では遅すぎる。
時を逃さず、最も効果的に核施設を破壊しなければならない。その際には、周囲の理解と協力が不可欠である。援軍を派遣してほしいとは言わないが、ただ理解してほしいということである。
そのためには、心と心が触れ合わなければならない。人と人とが時間をともに過ごさなければならない。これが外交であり、外交官の役割である。
Times of Israelの中には、ラピード外相の訪問で、イスラエルと、イギリス、フランスの首脳との距離が、近くなったたようだと評価する記事もあった。
また、ネタニヤフ前首相の強力なリーダーシップの時代からみると、その時とはまた違ったチームワークの利点も見えてくる。
だれがリーダーか。ベネット首相とラピード外相の2人であり、強力なヒーロー一人ではない。その上に主がおられるようにもみえる。足りない人間のチームだが、主がリーダーなら強い。そう祈る。