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トルコでイスラエル人旅行者拘束
先週、初めてのトルコ旅行に行っていたイスラエル人のモルディとナタリー・オクニンさん夫妻が、エルドアン大統領官邸を意図的に撮影したとしてスパイ容疑をかけられ、逮捕された。
オクニンさん夫妻はどちらもイスラエルのバス会社エゲッドの運転手で、撮影した写真は、夫婦と背景というごく普通の記念写真である。
イスラエル政府は、夫妻がスパイではないとトルコ政府に伝えた。しかし、疑いは晴れず、12日、トルコは、2人の高速を20日延長すると発表した。
しかし、イスラエルの外交関係者や、弁護士が夫妻にアクセスすることや、後には、家族が電話でコンタクトすることも許可された。2人は別々に拘束されており、ナタリーさんの家族(子供達)がビデオ電話で、ナタリーさんを励ましていた様子が伝えられていた。ベネット首相も家族に励ましの電話をかけている。
話が急展開したのは、16日。ベネット首相とラピード外相が共同記者会見を行い、夫妻がまもなく帰国すると伝えた。2人は、トルコのエルドアン大統領に感謝するとともに、ヘルツォグ大統領が何らかの重要な役割を担ったとして感謝を述べた。
交渉の内容は明らかではないが、トルコのスパイ機関同士の競争に利用されたのではとの分析、また、第3国が、トルコと交渉したと伝えるメディアもある。
www.timesofisrael.com/israel-couple-held-in-turkey-as-suspected-spies-freed-on-their-way-home/
オクニンさん夫妻は、17日朝6時、政府のプライベート機で、無事イスラエルに帰国して、家族に迎えられた。2人は、釈放を実現した政府に、繰り返し感謝を述べている。
石のひとりごと
今回の流れにおいても、たとえば、ベネット首相一人のお手柄とか、ラピード外相一人のお手柄といったではなく、チームによる外交で市民を取り戻したことが注目される。大統領までも協力したとのこと。これまでとは違うイスラエルの顔である。
また、オクニンさん夫妻はどうみても普通の市民であり、2人が大統領官邸の写真を撮ったという場所は特殊な場所ではなく、多くの観光客が普通に写真をとる場所でもあったという。事件は、トルコの政治や外交に利用された可能性もある。
海外にいるイスラエル人は、今後も注意した方がよいだろう。