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期限切れ間近ワクチンは韓国へ
イスラエルでは、パレスチナ自治政府が、受け入れを拒んだワクチンのうち、7月末で期限切れを迎えるファイザーのワクチン80万回分をどうするかが問題になっていた。
これについては、今感染が拡大傾向にある韓国が70万回分を引き取ることが決まり、すでに配送も完了した。
韓国は、これと引き換えに、9月にファイザーから配送が約束されている分から、70万回分をイスラエルに返すことになる。
イスラエルは大切なワクチンを破棄せずにすみ、韓国も9月まで待たずにワクチンを入手できるので、ウイン・ウインだとイスラエルは喜んでいる。
www.timesofisrael.com/israel-flies-700000-pfizer-vaccines-to-seoul-in-swap-deal/
1日500人超で感染予防対策強化もロックダウンはせず:コロナ閣議再び
世界では、再び新型コロナの感染が拡大している。アメリカのジョンズ・ホプキンス大学の調査によると、これまでの新型コロナによる死者は400万人となった。このうち、今年4月中旬で300万人であったものが、現在までに100万人増えて、400万人台になったとのこと。
www.nikkei.com/article/DGXZQOGN07ERD0X00C21A7000000/
特に多くの死者を出しているのがブラジルで、今も1日に1780人(計52万人)、インドでは、930人(計40万人)が死亡している。
イギリスでは、1日の感染者は3万人近くにのぼっているが、1日の死者は30人台(けい13万人)と少ないとして、「終わりがない。ウイズコロナで正常化を目指す。」と、ジョンソン首相が、感染対策を撤廃する計画を発表している。
www.newsweekjapan.jp/kimura/2021/07/71915.php
イスラエルでも新型コロナの感染者が1日500人(検査8万5000件・陽性率0.7%)を超えてきている。その90%はデルタ株だという。死者はまだ出ていないが、重症者も8人増加に転じて46人(人工呼吸器16人)。
陽性に転じた人の40%はワクチンをしていない子供達であることから、ベネット首相は、7月末までに12-15歳のワクチン接種を50%完了することをめざすとしていた。しかし、現時点で、これが達成できない見通しとなっている
また、ファイザーのワクチンのデルタ株に対する効果が、重症化を防ぐ効果はあるが、感染を予防する効果は、これまでの94%から30%も落ちて、64%とのデータが出された。このため、ベネット首相は再びコロナ閣議を招集した。
イスラエルでも日本と同様に、保健省やコロナ長官と政府の間に対立があるもようである。保健省は、来週までに1日の感染者は1000人を超えると警告する。しかし、政府は、重症者がまだ少ないことと、死者も出ていないことから、この段階ではまだ感染予防対策の強化にとどめ、ロックダウンのような劇的な対策は行わないことを決めた。
強化される感染予防対策は、主に空港での水際対策で、ワクチン接種完了者、または感染経験者は隔離不要としていたところ、これらの人も含め、入国者は全員、空港でPCR検査を受け、その結果が出るまで自己隔離とする。
ワクチン接種していない人の隔離は、PCR2回陰性が出たら10日間、PCRなしの人は14日間である。隔離期間については、今後再検討予定とのこと。
ベングリオン空港では、夏の行楽シーズンにむけて、あらたに1時間に2500回の検査が可能になるテント施設が設けられ、今週にも利用が始まることになっている。
なお、検査料金は、今は高齢者以外は有料である。
ワクチン接種完了の外国人個人旅行者の入国は、7月1日に開始される予定であったが、8月1日に延期された。この件について、予定通りすすめるかどうかは、ここ数日中に検討されるとのこと。
この他、子供達の感染拡大が懸念されることから、子供100人以上が参加するイベントでは、入場前に、簡易検査を実施する。高齢者施設に入る人も同様に簡易検査を行うことを推奨するとしている。