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15−16日:イスラエルの攻撃でガザ42人死亡
ガザとの戦闘が始まって7日目。イスラエルへのロケット弾攻撃がテルアビブなど主要都市にも続いている中、イスラエル軍はガザのハマス、イスラム聖戦など、幹部の家や、地下トンネル、武器庫などを精力的に破壊する作戦を続けている。
土曜から日曜にかけてのイスラエル軍の攻撃で、ビルが倒壊し、少なくとも42人のパレスチナ人が死亡したとガザの保健省が報告している。戦闘が始まってから1日の死者数は最悪となった。
まだ瓦礫の下に多数の負傷者がいるとみられ、助けを求める声が瓦礫の下から聞こえる中で、救出が続けられているという。42 人の死者の中には、ガザのアル・シーファ病院で、医療を行っていたアフマド・アル・オーフ医長、モーエン・アル・アロウル医師が含まれていたとのこと。
また、死者のほとんどは、アル・コーラックさん一族で3歳のアダム・イザット君、1歳のクサイ君などの乳幼児も含まれていた。死者の中にハマス関係者がどのぐらいいたかは不明。
このビルの破壊について、イスラエル軍は、ハマスの軍事施設であったと主張。ハマスが、その上に市民を住まわせているので、どうしても市民に犠牲が出てしまうと述べた。今回、犠牲となった人々に警告が発せられたかどうかは、述べなかったとのことだが、駐米大使館報道官は、警告はなされていたと言っていた。
www.timesofisrael.com/screams-under-the-rubble-26-said-killed-in-israeli-airstrike-in-gaza-city/
*ガザの病院:コロナ患者と負傷者超満員
まるでコロナが終わったかのような戦闘状態だが、まだ終わったわけではない。ガザでは、先月、コロナの感染拡大と死者数が過去最大を記録していた。集中治療室は15床しかないという。コロナ患者に加えて、負傷者続出で、病院はいったいどうなっているかはわからない。
ハマスは、市民のための医療だけでなく、下水道はじめ、発電などインフラの改善もまったくしないで、ただただミサイルを作っていたのではないか。ハマスがガザ市民に与えている被害は、あまりにもはかりしれない。
はからずも多くの死者を出してしまったイスラエルに罪が全くないとは言えないが、ガザを人間がすめないまでの事態に追い込んでいた上に、今は、市民を安全な場所に移動させるどころか自分たちの盾にしているハマスに、アラブの大義があるなどとは言えないだろう。
ガザからイスラエル南部へ反撃のロケット弾190発:死者負傷者なし
土曜から日曜にかけてのイスラエルの激しい攻撃で42人が死亡したことを受け、シャブオットが始まる日の日曜朝からハマスが、反撃に転じ、アシュケロンやアシュドドなど南部都市とベエルシェバにも、大量のロケット団を撃ち込んできた。しかし、死者も負傷者も出なかった。
イスラエル軍によると、この一連の攻撃では、ガザから190発が発射され、20発はイスラエルに届かず、ガザ内部に着弾。イスラエルに入り、市街地に着弾すると予測されたロケット弾のうち、数十発はアイアンドームが撃墜していたとのこと。
アシュケロンのヤド・ミハエル・シナゴーグは、ロケット団の鉄片の直撃を受け、壁に大きな穴があいた。シナゴーグでは、皆で破片などを掃除し、予定通り、シャブオットの礼拝を行なったとのこと。
www.timesofisrael.com/holy-cleanup-ashkelon-synagogue-ready-for-shavuot-2-hours-after-hit-by-rocket/
イスラエルはまだ停戦する様子なし
国際社会からは停戦への圧力がかけられているが、イスラエルはまだ停戦に応じる様子はない。
ネタニヤフ首相によると、イスラエルは、これまでにハマスの拠点など1000箇所を攻撃したとのこと。ハマスにはかなり厳しい打撃を与えたと考えられているが、まだ完了したわけではないと語った。ガンツ国防相も、戦いがまだしばらく続くとの見通しを語っている。
イスラエルとしては、ハマスを一掃する作戦があるのかどうかは不明だが、ともかく、イスラエルに攻撃したらどんなことになるかを徹底的に示しておきたいというのがイスラエルの今の作戦のようである。
ネタニヤフ首相は、国民に向かって、「時間がかかるかもしれない。国際社会からの圧力もあるが、同盟国アメリカの支持を得ている」と述べ、国際社会からも支持があると説明している。
www.timesofisrael.com/southern-communities-pounded-by-gaza-rockets-pm-fighting-will-take-more-time/
リブリン大統領は長引く戦闘の中、16日、国民を守るため、迎撃ミサイルを断続的に操作しているイスラエル軍部隊を訪問。励ましと感謝を伝えた。