コロナ渦が始まる前に、ガザ近郊の遺跡テル・ガマに家族でハイキングに来ていた6歳のイムリ・エリヤ君が小さな石の印(seal) を発見。3500年前のペリシテ人時代のものであったことがわかった。
ガマは、カナン人時代は、ヤルザと呼ばれた町であると考えられている。この町は、エジプトとカナンの王たちとのやりとりの手紙ともいえるアマルナ文書の中にも出てくる名前だという。
あまりにも貴重な発見であるので、悪い大人であれば、そのまま自分のものにしてしまうか売ってしまう可能性もあるが、エリヤ君が、これを、考古学局にすぐに届けたとして、良い市民であるとの表彰を受けた。
<ペリシテ人勝利の記念品?>
みつかった石印は、2.8センチ四方の石灰石で、おそらくは勝利の記念のものであるとみられる。考古学局のサアル・ガノール博士は、型に流し込んで作ってあることから、多数製造され、配布されたのではないかとみている。
掘られている絵は人間が2人。一人は、裸で奴隷とみられる。もう一人は、奴隷を後ろから捉えているとちょっと小太りの監視員らしき人物で、ちょっとカーリーなヘアスタイルと髭もみられる。
ガノール博士は、2人ともペリシテ人で、おそらく、土地や水問題で争ったのではないかと語る。光景は、テル・メギドからの発掘物や、エジプトのアブシンベル神殿とも共通点があることから、後期青銅器時代(紀元前12−15世紀)のものとみられる。
この当時は、町ごとに王がいる時代で、それらの王たちとエジプトが、激しい戦闘を繰り返した時代であった。また、この地域には、またガザの港や、ネゲブ地方を潤したベソル川の水源もあることから、ハビル人たちとの戦いもあったと推測される。
小さいが、当時の様子を知る窓になる貴重な発見であった。
www.timesofisrael.com/3500-year-old-canaanite-prison-scene-discovered-by-6-year-old-on-a-hike/