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ラグ・バオメルのメロン山封鎖へ
イスラエルでは、11日夜(日本時間12日朝)から12日夜まで、ラグ・バオメルという例祭になる。聖書に書かれた例祭ではないが、超正統派の大群衆が北部メロン山に集結する他、全国的に、人々が焚き火をする夜になる。
屋外とはいえ、蜜状態になりやすいため、再びロックダウンも議論された。しかし、最終的には、全国的なロックダウンはせず、焚き火を禁止とし、メロン山への入山を禁止して13日まで封鎖、主な巡礼地ラビ・シモン・バル・ヨハイの墓地については、17日まで封鎖されることが決まった。
焚き火をした者への罰金は500シェケル(1万5000円)
www.timesofisrael.com/no-lockdown-but-ministers-ban-bonfires-close-off-meron-ahead-of-lag-bomer/
*ラグ・バオメル
ラグ・バオメルとは、過越から、麦束を数えてラグ(ヘブル数字で33)日目を意味する。聖書的な例祭ではないが、ユダヤ教の根幹をなす書物の一つで、ユダヤ神秘主義の基でもある「ゾハル」の著者、ラビ・シモン・バル・ヨハイを記念する祭りである。
ラビ・シモン・バル・ヨハイは、2世紀、イスラエル北部ペキーンの洞窟に13年間隠れている間に、神から特別な啓示を受け取った。ラビは、それを死ぬ当日になって明らかにすることを決めた。この日、ラビが啓示を語り終えるまで、太陽が沈まなかったという言い伝えから、夜にたき火をして明るくする、というのがこの祭りである。
祭りそのものは、16世紀に、ユダヤ教学者でもあるラビ・アイザック・ルリアによって考案されたのだが、正統派ユダヤ教徒だけでなく、世俗派にまで広がって、今や、イスラエル全国の風物詩になっている。
祭りの本家本元は、北部メロン山のラビ・シモン・バル・ヨハイの墓で、全国から数万人のユダヤ教徒が集まり、ぎっしりになった人々の間で巨大なたき火を行い、その回りで歌いよろこぶのである。全国各地では、地域の空き地などで家族や、若者のグループが三々五々、キャンプファイヤーをする。
世俗派などは、この日、なぜたき火をするのか知らない人も少なくないが、とにかくこの日は「たき火の日」ということになっていて、マシュマロを枝に突き刺して焼きながら食べたりして、朝まで楽しむという具合である。
新型コロナ死者37%はユダヤ教正統派
イスラエル国内において、新型コロナで死亡した人の37%は、エルサレム(54人)と、ブネイ・ブラック(33人)の超正統派居住地に住んでいる人であった。
この傾向はイスラエルだけでなく、海外の超正統派コミュニティも同様に多数の死者を出しているこれは超正統派たちの生活様式が、基本的に家族、地域と集まる習慣にあり、隔離という生活様式を取り入れにくいこと。また科学的な情報が入りにくいことが、あげられている。
今年は、例年になく寂しいラグ・バオメルになりそうである。
www.timesofisrael.com/two-ultra-orthodox-bastions-account-for-37-of-israels-virus-deaths/