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King of Kingsで賛美集会を妨害
入植者らのパレスチナ人地域への激しい襲撃が続いていた22日夜、エルサレム(King of Kings Assembly礼拝会場)では、地元メシアニックジューと、海外からきている福音派クリスチャンたちが集まる賛美集会が行われた。会場は満員で、1000人近い参加者がいたとみられる。
King of Kings community of Jerusalem kkcj.org/
この集会で、過激右派ユダヤ教徒、特にクリスチャン宣教師の摘発を続ける正統派のグループレハビアとラ・ファミリアのメンバー数十人が、会場への入り口に「宣教:霊的なホロコースト」と書かれた貼り紙をしたり、入り口で人が入れないようにするなどの妨害を行なった。最終的には、警察官をも巻き込む乱闘になった。
しかし、会場の中にまでは入らなかったので、集会自体は最後まで終えたということであった。
正統派たちは、「このカンファレンスは、ユダヤ人をキリスト教に改宗しようとするものだ。エルサレムであるべきことではない。」と言っていたという。
ユダヤ人にとって、ユダヤ教はアイデンティティなので、キリストを信じてクリスチャンになると、もはやユダヤ人ではなくなるという認識は今もまだしっかりとある。このために、福音宣教は、命を奪うテロと同等かそれより悪い、霊的ホロコーストという認識にもなるのである。
だから神の前に、危機感と正義感を持って、福音派に反発するのである。しかし、入植者によるパレスチナ人への攻撃もあいまって、イスラエルがどんどん世界から嫌われる方へ向かっていくようにも懸念される。
しかし、反ユダヤ主義が世界で悪化する中で、福音派は親イスラエルなのであり、経済的な支援も大きい。超正統派のこうした行動を懸念する声も大きいのである。
特にツアーガイドは、福音派グループが大挙してやってきて、仕事をもらっている。感謝はしているのだが、その信仰には閉口するという、複雑な思いのようである。
石のひとりごと
この事件の後だったからか、イスラエル人のツアーガイド仲間と話している中でこの話題になった。この人々が口をそろえていうことは、福音派がいかに自分勝手で、上から目線で福音を押し付けてくるのかということであった。カトリックはいいが、福音派のガイドは嫌だということだった。
話している中で、最も大きな怒りは、福音派が、イエスの再臨の時に、ユダヤ人が全員キリストを受け入れることになると信じている点であった。筆者が福音派だということを思い出し、どう思うのかとつめよられたが、最終的には、イスラエルで救われた証をしっかり聞いてもらう結果となった。皆、かなり真剣に聞いており、一人は少しは理解が深まったようであった。