9日午後9時すぎ、西岸地区入植地オフラで、バス停にいた人々に向かって、走行中の車から銃を乱射するというテロが発生した。このテロで、妊婦1人を含むユダヤ人7人が負傷した。
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妊婦は、シーラ・イシュ・ランさん(21)で、上半身に銃撃を受けて重傷となったが、その後意識を回復し、現在、状態は安定している。しかし、シーラさんが出血多量に陥っていたため、胎児(30週(7ヶ月半)男児)は、帝王切開で取り出され、新生児ICUで保護されていたが、4日目の13日夜、死亡した。
死亡した男児の葬儀は、病院にいる両親不在の中、祖父母らと数百人が集まって執り行われた。ユダヤ教律法により、男児はアミアド・イスラエル(イスラエルの民は永遠に)と名付けられたのちに葬られた。
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シーラさんの夫で胎児の父親のアミハイさんも現場にいて負傷し、同じ病院に搬送されている。シーラさんの証言によると、アミハイさんは、シーラさんを守ろうとして負傷したとのこと。2人は、シーラさんの意識が回復したのち、病院で再会をはたしている。
今回の被害者7人は、このバス停付近の事故で亡くなった人を記念し、ハヌカの最後のろうそくに火を灯す行事に参加したのちにバスを待っていて被害にあった。被害者の中には、16歳少女2人も含まれていた。
<イスラエル軍:大規模踏み込み捜査:3日目に犯人射殺>
テロ事件発生時、現場近くにはイスラエル兵がいて、犯行車両に発砲したが、車はそのまま走り去った。イスラエル軍は、ただちに現場付近でラマラ近郊のパレスチナ人地区シルワドとアル・ビレへ、大規模部隊による踏み込み捜査を行った。
翌10日には、ラマラ近郊のパレスチナ公共放送ワファへの踏み込み、監視カメラの押収などが行われた。イスラエル軍の踏み込みにより、アッバス議長官邸近くを含む複数地点で小規模な衝突が発生し、負傷者も出た。
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捜査が始まって3日後の13日夜、胎児が死亡した数時間後、イスラエル軍はラマラ北部のスルダで、オフラでのテロを行ったとみられるパレスチナ人、サレ・バルグーティを、タクシーに乗っているところを射殺した。タクシーに同乗していて負傷したパレスチナ人は、イスラエルの病院に搬送されたとのことである。
この他、シルワドで、事件にかかわったとされるグループを逮捕し、パレスチナ自治政府のムカタ近郊の家を包囲したなど、エルサレムポストは伝えている。
www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5424886,00.html
パレスチナ自治政府のアッバス議長は、テロ発生後、「テロは、イスラエルの支配地域で発生したのであり、パレスチナ側に責任を問われるのは心外だ。」と語ったと伝えられている。ハマスは、事件を歓迎するとの声明を出した。
<西岸地区での戦い:ハマスはガザだけにあらず>
西岸地区では、最近、死者が出る深刻なテロが相次いでいる。10月、バルカン産業パークで、ナイフと銃撃によるテロで2人死亡。9月、グッシュ・エチオンで、ナイフによるテロで1人死亡。8月には60号線のバス停に突っ込むテロで女性一人死亡。7月エルサレム北アダムでナイフにより1人死亡。3月2件、2月2件、1月1件。
これらに対し、イスラエル政府は、テロリストの家を破壊することと、逆に入植地の建築を増やすなどの政治的”反撃”は行っているが、強力な武力による反撃は行っていない。西岸地区のユダヤ人入植者たちからは、これに対する不満が高まっている。
シン・ベト(国内治安組織)のナダブ・アルガマン長官は、国会委員会において、ハマスが、西岸地区からも攻撃しようとしているという現状を述べ、西岸地区が平穏から程遠いという認識を持つべきであると述べた。
アルガマン長官によると、昨年だけで、未然に防いだテロは480件。摘発は、ハマスのセル219件、単独の犯行590件に上っている。
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*13日深夜すぎ、イスラエル軍が、10月にバルカン産業パークで市民2人を殺害したパレスチナ人シャラフ・ワリード・スレイマン・ナアルワ(23)をナブルスで追い詰め射殺したとのニュースが入っている。
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