オリーブ山通信で、なかなか追いついていないのが、西岸地区情勢である。
昨年10月7日以来のテロ(西岸地区からのテロリスト)で、イスラエル市民41人と、治安関係者6人が死亡している。このため、西岸地区では、イスラエル国内でのテロを計画しているテログループを未然に防ぐ作戦が続けられている。
最新の情報では、今週、西岸地区でも特にテロリストが多いジェニンで、20(水)、21日(木)と2日間の掃討作戦が行われ、衝突で、パレスチナ人テロ容疑者9人が死亡した。
このうち、3人は、空爆で死亡。6人は銃撃戦で死亡となっている。またその前日19日(火)には、イスラム聖戦の3人が、銃撃戦で死亡していた。
イスラエル軍によると、昨年10月7日以降、ドローン、ヘリコプター、戦闘機による、西岸地区への空からの空爆は、70回以上になるという。パレスチナ自治政府によると、こうした衝突で、パレスチナ人716人が死亡したとのこと。
こうした中、イスラエル軍は、これまでにテロ容疑者5250人が逮捕しており、このうち2050人以上はハマス関係者となっている。イスラエルの刑務所は、手に負えないほど混雑しており、パレスチナ人からは、その中からナクバ(イスラエルへの攻撃)を開始するといった脅迫も出ている。
なお、こうした衝突は、西岸地区全域、24時間ずっとということでなく、危険地域での単発的な戦闘とは思われるが、一旦先戦闘になれば、まさに本格的な戦争の様相になっている。
www.timesofisrael.com/nine-palestinian-gunmen-killed-during-two-day-raid-in-jenin-area-idf-says/
www.timesofisrael.com/israeli-troops-kill-three-islamic-jihad-gunmen-in-west-bank-gunbattle/
一方で、西岸地区、イタマルから出てきたとみられる、過激右派ユダヤ人グループが、パレスチナ人居住地を襲撃し、オリーブ畑はじめ、家や車に放火するなどの暴力に出ており、問題となっている。
11月16日(土)、仮面をつけた過激ユダヤ人たちが、ナブルスの近くのパレスチナ人の村で、建物や車に放火し、かけつけたパレスチナ人と投石の応酬となった。
♦️ מיליציות מתנחלים תוקפים את אזור שכונת "הקצינים" בעיירה בית פוריק, מזרחית לשכם, ובמהלך ההתקפה פרצו עימותים עם התושבים. pic.twitter.com/hz5xBJT8vJ
— Asslan Khalil (@KhalilAsslan) November 16, 2024
これを止めたのは、イスラエル軍とイスラエルの国境警備隊である。いつものことだが、逮捕者は出なかった。
こうした放火事件は、時々発生している。今年の10月のオリーブ採取時期は、特に危険だと言われたほどであった。
www.timesofisrael.com/west-bank-facing-most-dangerous-olive-season-ever-un-linked-experts-warn/