昨夜31日深夜2時頃、西岸地区ナブルス北部のパレスチナ人の町で、民家2軒への放火があり、眠っていた1才半のアリ・ダワブシェちゃんが死亡。両親と兄弟(4才)も重傷で現在、イスラエルの病院で治療を受けている。
4才の兄弟は、すでに蘇生措置が行われるなど、非常に危険な状況。アリちゃんを助けようとして燃える家に入って行った母親も、全身の90%が3度の熱傷で、非常に危険な状態だと病院医師は語っている。
激しく焼失したダワブシェさんの家屋の近くに、ダビデの星とともに、ヘブライ語で、「復讐。メシアが長く生きるように。」という落書きが残されていた。犯行は、ユダヤ人過激派”入植者”によるテロ、いわゆる値札行為とみられている。
ネタニヤフ首相は直ちに声明を発表。「これはどうみてもテロだ。イスラエル政府は、テロ行為を行う者は、誰であれ、断固とりしまる。イスラエル人すべてを代表し、遺憾と追悼を申し上げ、負傷したご家族が速やかに回復されるよう祈る。」と語った。
一方、パレスチナ自治政府は、「このテロの責任はイスラエル政府にある。」とする声明を発表。ハマスは、今日、イスラムの礼拝日である金曜日を、「怒りの日」と宣言。「イスラエル兵と入植者を攻撃せよ。」と報復する構えを明らかにした。
この他、ここ数日、西岸地区において、パレスチナ人による投石事件はほぼ毎日となる一方、イスラエルの治安部隊によるテロリスト相当作戦が行われ、各地で抵抗するパレスチナ人との衝突が発生。一人二人と、パレスチナ人が続け様に3人射殺される事件も発生している。
今日はイスラムの礼拝日である金曜である。イスラエルは数千人の治安部隊を派遣し、犯人の捜索を続けるとともに、暴動やテロに備えて、現在、最高度の警戒態勢に入っている。
まずは、重傷となっているパレスチナ人家族の回復のためにもとりなしが急務。また、一刻も早く犯人が逮捕されるとともに、今後、大きな紛争やテロに発生しないように。
西岸地区のユダヤ人入植地に住む人々、過激なユダヤ人の若者の他、一般の過激でない人々も覚えて、とりなしをお願いしたい。