<数時間後に2件目のテロ>
昨夜、旧市街内で2人がナイフで刺されて死亡するというテロが発生したが、その数時間後、ダマスカス門近くのガソリンスタンド付近で、モシェ・マルカさん(15)が刺されて、中等度の負傷するという2件目のテロが発生した。
犯人は東エルサレム在住のパレスチナ人。マルカさんが刺された時、一緒にいた友人がとっさに、持っていた催涙ガスをテロリストに噴射し、助けを呼んだ。テロリストは駆けつけた警察官に、その場で射殺された。
<旧市街内部の様子>
エルサレムは、今日4日の夕刻までが仮庵の祭りの最終日で、続いて、5日夕刻までシムハット・トーラーとなる。通常なら、多くのユダヤ人が、嘆きの壁に祈りに来る日である。
一晩に死傷テロが2件続いたことを受け、警察は、今日から2日間、イスラエル市民と、旧市街内住民か、旧市街内に、ビジネスや学校がある人、旅行者以外は、旧市街へのアクセスを制限すると発表した。
(つまり、旧市街に住んでいないパレスチナ人だけが入れないということのようだが、実際のところは不明)
神殿の丘で祈るイスラム教徒については、男性は、50才以上に制限。女性のイスラム教徒に年齢制限はないが、神殿の丘に入る場合は、ライオン門近くの入り口に限られる。
しかし、さすがはイスラエル人。テロには負けていない。今朝は仮庵の最終日で、特別な祈りをささげる日だったこともあり、ラビが、犠牲者のためにも恐れず嘆きの壁に来て祈るよう、呼びかけた。
テロから12時間以内もたたない今朝、早朝、日の出にあわせて嘆きの壁は、一時ユダヤ人で満員となった。
今朝の様子:http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/201395#.VhEbkKUWnA8
しかし、その祈りが終わったあとからは、さすがに嘆きの壁を含め、ユダヤ人の姿はかなり少ない。旧市街全体が空っぽになっている感じである。(写真:犯行のあったダマスカス門から嘆きの壁への通り)
正午ごろ、旧市街のヤッフォ門からユダヤ地区、嘆きの壁を通ってダマスカス門まで歩いてみたが、ユダヤ地区以外の地区の店舗はすべて閉まり、なんとも陰気な雰囲気になっていた。
立っている兵士に、なぜ店が閉まっているのかと聞くと、「デモだよ。」と苦々しいにやけ顔で返答する。被害に遭ったのはイスラエルなのだが、旧市街のアラブ人たちは、そうなるのも当たり前だとばかりに、イスラエルに背を向けているということである。
この時間帯、旧市街を歩いているのは、ほとんどがアジア系の観光客だった。欧米系はやはり、危ないと見ているのか、ほとんど見なかった。
明日は、シムハット・トーラーなので、嘆きの壁は、明日もまたテロに屈しないユダヤ人で満員になるものと思われるが、このままテロの波が落ち着いてくれればと思う。
*シムハット・トーラー/ 神がトーラー(聖書)を下さったことを覚え、嘆きの壁やシナゴーグでトーラーの巻物を抱えて喜び踊る。
<首相官邸前デモ>
昨夜の事件が発生した後、エルサレム中心部と首相官邸では、相次ぐテロでユダヤ人の命が奪われていることについて、「アム・イスラエル・ハイ(ユダヤ人は生きる)!」と訴える自発的なユダヤ人のデモが発生していた。
首相官邸前では、「首相は、市民を守るため、迅速に実質的な対策をとるべきだ。」として座り込む人々もいた。しかし今日からまた祭日入りになるのを受けて、デモ隊も今は帰宅している。
www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/201376#.VhCoyKUWnA8