相変わらず続く10歳代パレスチナ人のテロ 2016.2.15

<14日だけで6件のテロ:パレスチナ人計5人射殺・1人重傷>

14日午前、西岸地区ジェニン付近で、パレスチナ人少年ニハッドとファウド・ワケッド(2人とも15才)が、走行車に投石。治安部隊が近づいたところ、銃撃してきたため、反撃。少年2人は死亡した。

14日午前、エルサレム郊外の検問所で、パレスチナ人少年(17)ナイム・サフィが、ナイフを掲げて突撃してきた。治安部隊を傷つける前に射殺された。

14日午後、西岸地区ヘブロンのマクペラの洞窟で、14才パレスチナ人少女が、治安部隊隊員を刺そうとしたが、逆に突き返されて撃たれ重傷となった。イスラエルの病院に搬送された。

同じく14日午後、エルサレム南部タルピヨットで、14才アラブ人少年がナイフを持って女性に接近した。女性はよけて無事。少年はそのまま逃亡した。

この他、西岸地区ナブルス近郊の道路上で、遠隔操作できる爆発物が発見され、処理班によって除去された。

また14日夜、ダマスカス門近くの路面電車駅で、パレスチナ人2人が治安部隊に向って銃撃したため、その場で2人とも射殺された。

www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4766061,00.html

<17才パレスチナ人少女間違いテロで射殺>

13日、西岸地区ヘブロンマクペラの洞窟で、あやしい動きをしていたパレスチナ人の少女がいたため、国境警備隊員が職務質問しようとした。

するとナイフを出して警備隊員を刺そうとしたが失敗。もみあっているうちに、通りかかったパレスチナ人男性(53)を誤って刺した。この直後少女は警備隊員に撃たれて死亡した。刺されたパレスチナ人男性は中等度の負傷でイスラエルの病院で手当を受けている。

<違法労働者を乗せた車両で突っ込み国境警備隊員3人負傷>

13日、エルサレムの西、マアレイ・アドミム付近の検問所で、怪しい車がいたため、国境警備隊員が近づいたところ逆に兵士らの車両に車ごと突っ込んで来た。

これにより、治安部隊兵士ら3人が軽傷。パレスチナ人2人、運転していた40才パレスチナ人男性と14才で、2人ともそれぞれ銃撃を受けて病院へ搬送された。

www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4766061,00.htm

上記のような事件が、パレスチナメディアでは、恐ろしい写真とともにすべて報道されている。イスラエルのニュースには出ないが、検問所やパトロールでの小さな衝突の様子も詳細に伝えている。 http://www.maannews.com

<石のひとりごと>

イスラエルは、週末から急に春の陽気となり、野には花が咲き、本当に美しい季節になってきた。しかし、人間社会では多くの人が、今日も命を落とした。14日の1日だけで、テロと事故で11人も死んだのである。

パレスチナ側や親パレスチナグループは、「イスラエルが過大な暴力を行使している。」「子供がこういうテロをするのは、イスラエルが占領を続けて、希望を奪っているからだ。」と訴えている。

しかし、パレスチナ人社会は、ユダヤ人を殺す事が栄光ある事だと教えるテレビ番組やソーシャルメディアの情報を取り締まらず、子供たちをそうした挑発から守ろうともしていない。

いずれにしても、イスラエル人の犠牲者数より、イスラエルの銃弾によって射殺されているパレスチナ人の方が圧倒的に多いことは事実であり、やがて非難の矛先はイスラエルへむくだろう。

しかし、イスラエル側としても、普通の若者が徴兵で、検問所や西岸地区へ入っていかなければならない状況に追い込まれていると言いたいだろう。

普通の17才や18才の若者が、西岸地区に派遣され、自分を殺しに来るというものすごい憎しみに直面し、自分や戦友を守るためとはいえ、ある日、殺人をしなければならないことになる。その後でまた普通のイスラエルでの生活に戻れるものだろうか。これもまた、残酷なことではないだろうか。

一日も早く、パレスチナ人たちが、テロをやめてくれればと願うばかりである。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。

コメントを残す

*