ネタニヤフ首相が、総選挙で圧勝した後、友人であるはずのオバマ大統領は2日もたってから電話をかけてきた。その内容はどうもかんばしくなかったとの報道もある。
今最も問題となっているのは、ネタニヤフ首相が投票直前の右派のラリーで、「自分が首相であるうちは、パレスチナ人の国はありえない。」と公約したことである。これは、オバマ大統領と、ネタニヤフ首相自身もともにすすめてきた2国家2民族の目標に相反する発言だった。
ところが選挙直後、ネタニヤフ首相は、「パレスチナ人の国を拒絶したわけではない。現状ではありえない。という意味だった。」と意見を翻したかのような発言を行った。これを受けて、国内でも、ネタニヤフ首相のじぐざぐぶりが大きくとりあげられた。
オバマ大統領は、ハフポストへのインタビューで、「ネタニヤフ首相の発言は明らかにアメリカ政府と考え方が異なる。」と語り、アメリカとイスラエルの溝がすぐには埋まらないとの見解を語った。
<進む!?イランとの交渉>
選挙前にオバマ大統領を無視する形で議会におもむき、イランとのあらゆる合意は避け、完全にイランが核開発をやめるまで、経済制裁を継続するべきだと訴えたネタニヤフ首相。
そんな意見はとりあげず、現在、ケリー国務長官は、スイスで、フランス、イギリスなどP5+1諸国外相らとともに、イランのザリフ外相との交渉を行っている。今回の合意は、6月の最終合意への大きな枠組みとなる合意になるもので、期限は今月末である。
合意の内容は、BBCによると、イランが核開発を交際社会が指定するレベルまで制限するなら、経済制裁をさらに緩和するというものだ。
ケリー国務長官が、イランとの合意は近いと楽観的な見通しを語る中、フランスが期限を引き延ばした方がいいのではとブレーキをかけ始めた。
www.jpost.com/Middle-East/Powers-stiffen-postures-ahead-of-critical-hour-with-Iran-394712
これを受けて、イスラエルの情報相ステイニッツ氏が昨日、パリへ出発した。ぐらついているフランスを援護して、イランとの合意に反対するためである。ステイニッツ氏は、国家治安委員会長官のヨッシー・コーヘン氏はじめ、諜報機関関係者を数人同伴している。
ステイニッツ氏は、ネタニヤフ首相と同様、「いま進められている合意は、盲点にみちた愚かなものだ。」と語っている。