イスラエルでは、目に見えて人口が増えてきているユダヤ教正統派と、彼らを養いきれない世俗派が対立するというのが社会現象になっている。
その象徴ともいえるベイトシェメシュでの市長選やりなおし(昨年10月の選挙で不正があったと判断されたため)が水曜に行われた。
結果、最初の選挙結果と同様、正統派(シャス党)のアブトブル氏が当選を決め、軍配は正統派に上がった。
結果を聞いた世俗派住民の表情はかなり暗い。「ベイトシェメシュは終わりだ」「町から出て行くことを考えている」という世俗派住民もある。
ベイトシェメシュでは年々正統派数が増え、世俗派を圧倒しはじめている。最近では、”敬虔な”正統派が世俗派の小さな女の子の服装が悪いと言って、つばをはきかけるなどの問題が発生していた。
<正統派の兵役義務化・可決>
ユダヤ教超正統派の兵役義務について、一部のイシバ(ユダヤ教神学校)学生を除くすべての正統派に兵役の義務を課し、拒否するものは刑務所へという法案が2回の決議を通過し、可決されるに至った。
とはいえ、国会の約半分近い野党議員全員が不在の状態での可決である。
またこの法案は時間をかけてゆっくりと適応する計画で、今すぐに劇的な変化があるわけではない。今後、正統派が自然にイスラエル社会に参画していくようになるかどうかというところだろうか。