土曜日恒例テルアビブでの人質交渉優先・反政府デモ:イスラエル史上最大50万人 2024.9.8

in front of the Israeli Defence Ministry in Tel Aviv on September 7, 2024 (Jack GUEZ / AFP)

怒りと悲しみを共有するイスラエル人デモ50万人

ハマスがまだ生きている人質6人を殺害したことを受けて、7日(土)、毎週土曜日安息日明けの人質交渉優先と、反政府デモを訴えるデモに参加した人は、テルアビブだけで50万人を超え、エルサレム、ハイファ、ベエルシェバなど、それ以外の地域でも25万人は参加していたとされ、イスラエル史上最大を記録した。

今週も高速道路の封鎖が行われたほか、大きな通りで、焚き火をするなどして、警察をの小競り合いになった。

やはり、最近まで生きていた人質が、殺されたということが大きなショックになっており、ネタニヤフ首相が早く、交渉を進めていたらこの人々は死なずに済んだとの思いが人々の中に強くなっているようである。デモでは、「人質たちは、トンネルの中で死にかけている」と危機感を訴えた。

一方、このデモとは反対に、イスラエルは交渉に応じるのではなく、ハマス殲滅を続けるべきだとする右派団体のデモも行われて、両者が衝突する場面もあった。警察はこの衝突にの沈静化にも追われた。

エルサレムでは、首相官邸間で、「血はあなたの手に」と英語で掲げる人もいた。ハマスに息子を殺されたゴレンさん夫妻が、人質がまだ監禁されたままになっているのは、ネタニヤフ首相のせいだと訴えた。

www.timesofisrael.com/organizers-claim-largest-ever-rally-in-tel-aviv-as-calls-for-hostage-deal-intensify/

人質の恐怖の表情ビデオ:家族が公開

ハマスが人質の家族にその様子を伝える映像を送りつけてくるという心理作戦が続けられている。明らかになっているのは、その家族が公開に応じたケースなので、他にもいると思われる。

人質交渉が進まない中、家族たちが、危機感を訴えるため、それらを公表する動きがある。6日、人質になっているエビヤタール・デービッドさんの家族が、
デービッドさんが拉致された直後の映像を、イスラエルテレビ、チャンネル12を通じて公開した。

デービッドさんが、拉致されながら頭をなぐられたりするなかで見せている恐怖の表情からは、どれほど恐ろしかったかがよく表れている。

石のひとりごと

上記クリップは、すべてイスラエルのテレビチャンネル12である。これをみてもわかるように、人質を取られたままになっている痛み、自分は人質だったが、たまたま救出された人の痛み、それらを共有するイスラエル人たちの痛みは、他国人にはわからないほどの痛みだろう。

その中で、生き延びるために、イスラエル人同士で喧嘩になっている様子にも、危機感を覚える。

しかし、イスラエルの国際英語メディアで、このデモの様子を報じているのは、Times of Israelぐらいだった。一方、最大に報じているのは、カタールのアルジャジーラである。

イスラエル人の痛み、またイスラエル人同士の喧嘩を見て喜ぶのは、ハマスであり、イランであり、すべてイスラエルに敵対する者たちだということが、垣間見える。

今、泣いているイスラエルを、主はどう取り扱われるだろうか。主がイスラエルをかえり見てくださり、悔い改めもあるだろうが、同時にその恥も悲しみもやがて取り除かれるとともに、主の栄光があきらかになる時が来ると思われる。

それがいつなのか、どのようにかは、今は全く予想がつかない。だからこそ、主に、今、イスラエルをかえりみてくださるように、目をとめてくださるように、懇願する時ではないだろうか。

神である主の霊が、わたしの上にある。主はわたしに油をそそぎ、貧しい者に良い知らせを伝え、心の傷ついた者をいやすために、わたしを遣わされた。捕らわれ人には解放を、囚人には釈放を告げ、

主の恵みの年と、われわれの神の復讐の日を告げ、すべての悲しむ者を慰め、シオンの悲しむ者たちに、灰の代わりに頭の飾りを、悲しみの代わりに喜びの油を、憂いの心の代わりに賛美の外套を着けさせるためである。彼らは、義の樫の木、栄光を現す主の植木と呼ばれよう。

彼らは昔の廃墟を建て直し、先の荒れ跡を復興し、廃墟の町々、代々の荒れ跡を一新する。

他国人は、あなたがたの羊の群れを飼うようになり、外国人が、あなたがたの農夫となり、ぶどう作りとなる。

しかし、あなたがたは主の祭司ととなえられ、われわれの神に仕える者と呼ばれる。あなたがたは国々の力を食い尽くし、その富を誇る。

あなたがたは恥に代えて、二倍のものを受ける。人々は侮辱に代えて、その分け前に喜び歌う。それゆえ、その国で二倍のものを所有し、とこしえの喜びが彼らのものとなる。

まことに、わたしは公義を愛する主だ。わたしは不法な略奪を憎む。わたしは誠実を尽くして彼らに報い、とこしえの契約を彼らと結ぶ。

彼らの子孫は国々のうちで、彼らのすえは国々の民のうちで知れ渡る。彼らを見る者はみな、彼らが主に祝福された子孫であることを認める。

わたしは主によって大いに楽しみ、わたしのたましいも、わたしの神によって喜ぶ。主がわたしに、救いの衣を着せ、正義の外套をまとわせ、花婿のように栄冠をかぶらせ、花嫁のように宝玉で飾ってくださるからだ。

地が芽を出し、園が蒔かれた種を芽ばえさせるように、神である主が義と賛美とを、すべての国の前に芽ばえさせるからだ。     (イザヤ書61章)

 

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。