www.bbc.com/news/world-middle-east-34216151
国連事務総会は、10日、ニューヨークの国連本部の万国旗にパレスチナの国を加えることについて決議をとったところ、賛成119、反対8、棄権45 となり、賛成で採択された。日本は賛成票を投じた。
パレスチナ自治政府国連代表は、「象徴的だが、パレスチナ市民にとっては希望となる。」と語った。しかし、実際にはイスラエルとパレスチナの関係は以前にもまして悪化しており、国ができるとは、多くのパレスチナ人自身も思っていないというのが現状。
<デュマの放火事件:母親も死亡> http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4698297,00.html
ユダヤ人過激派による放火で、パレスチナ人ダワブシェさん一家4人が被害を受けた事件。事件発生時にアリちゃん (1才半)が死亡。1週間後には、父親のサイードさんが、病院で死亡した。
母親のリーハムさん(27)も90%の火傷で治療を受けていたが、5週間後の7日、死亡した。4才のアフマドちゃんが一家で唯一の生存者になったが、全身60%の火傷でまだ予断は赦さない状況。
リーハムさんの葬儀では、東エルサレム各地でイスラエルの治安部隊との衝突が発生した。なお、この事件の犯人はまだ確証がないとして逮捕には至っていない。大事には至っていないが、東エルサレムや西岸地区では、ユダヤ人に対するテロが散発している。
<イスラエル首脳による外交>
ネタニヤフ首相夫妻は10日、ロンドンで、キャメロン首相を訪問。前条件なしに、パレスチナとの和平交渉を再開する用意があると伝えた。
しかしこれに先立ち、イギリスでは、ネタニヤフ首相をガザでの虐殺行為などで逮捕するべきというネット署名に10万7000人が署名していた。
また、ロンドン市内では、300人の親パレスチナ派が、パレスチナの旗や、「ガザ」「ネタニヤフを逮捕しろ」といったプラカードを掲げて、激しい反イスラエルデモを行った。中には、なぜかヒズボラの旗を掲げる者もいた。
ネタニヤフ首相は、11月、不仲と言われるオバマ大統領を訪問する予定。(ホワイトハウス発表)
これに先立つ3日、リブリン大統領夫妻がバチカンの法王フランシスを訪問した。バチカンは、5月、パレスチナを国と認める方針を明らかにしており、イスラエルとの間に溝が生じている。
リブリン大統領は、友好のしるしとして、「ダビデの家」と書かれた紀元前9世紀の者と言われる石碑のレプリカを送った。法王フランシスは、お返しにオリーブの枝が交わる絵が掘られたコインを送った。世界が平和に共存するシンボルだという。
<イスラエルと関係回復で祝福されるエジプト!?>
エジプトの世俗派シーシ政権は、ムスリム同胞団の弾圧を続けているが、治安問題では、歴史的にも珍しくイスラエルと密接な関係となっている。
イスラエルは先週、カイロ市内に大使を派遣。4年ぶりに、カイロのイスラエル領事館が再開された。
これと平行し、エジプトでは6日、イタリア系の石油会社が、エジプト沖に、世界最大ともいわれる天然ガス油田を発見したと発表した。経済危機に苦しむエジプトには大きなボーナスと言える。
www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4695985,00.html
しかし、こうした巨大財産については、相当知恵をもって対処しなければ、祝福も祝福でなくなる可能性がある。
まずは地中海に2つの天然ガス油田を持つイスラエルと競争することになる。また、シナイ半島にせまるISISに狙われる可能性もある。エジプトではまだ正式な政権も発足しておらず、ガス油田がエジプトにどう影響するかはまだまだ未知数である。
イスラエルも、近年、大きなガス油田レビアタンが発見されたが、どの程度採掘するのか、国内消費と海外輸出の割合を決めるのに論議が続けられていた。先週の国会で、賛成59、反対51と相変わらずんの接戦だったが、やっと政府と採掘会社との方針が決まったところである。
ネタニヤフ首相は、天然ガスからの利益で、教育、社会福祉などの改善を目指すと喜びを語っている。