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原発から300メートル地点にミサイル
全世界がロンドンで、エリザベス女王の葬儀に釘付けになっていた月曜19日、ロシアが、ウクライナの南部ミコライウ州にある原子力発電所に向けて、ミサイルを放ち、そこからわずか300メートルの地点に着弾した。
原発では窓ガラスが割れるなどの被害が出た他、周辺地域は一時停電となったが、幸い、大きな事故や負傷者は出なかった。しかし、もし発電所にあたっていたら、大変な大惨事になるところであった。
この原発は、ウクライナ南部の町、ミコライウの北110キロ地点にあり、ウクライナで2番目に大きい原発である。さらに東250キロほとのところには、ウクライナだけでなく、ヨーロッパ最大のザポリージャ原発もある。
ザポリージャ原発は、放射能漏れも懸念され、最近、IAEAが査察に入ったところである。IAEAは、安全性を確証できないとし、ウクライナ人技術者が、安心して働けるよう、ロシア軍に原発から撤退するよう、要請したところである。
ゼレンスキー大統領は、19日、SNSで、「ロシアは世界を危険にさらしている。手遅れになる前に止めなければならない。」とあらためて、危機感を表明した。
www3.nhk.or.jp/news/html/20220920/k10013827031000.html
ウクライナ現状:劣勢からインフラ攻撃するロシア軍
現在、ウクライナでは東部、南部で、ウクライナ軍が攻勢に出ており、ロシア軍を撃退しつつある。東部ハルキウ州では、奪回した地域から、集団墓地や、ロシア軍が、ウクライナ人を拷問をしていた証拠も出て来ている。一方、ロシア軍は、軍備や人員を回復できず、各地で撤退に追い込まれている動きになっている。
これに対し、ロシアは、ウクライナ側の士気をくじくねらいか、市民や、その生活に必要なインフラを狙って攻撃するようになっている。懸念されるのは、ピンチに陥ったプーチン大統領が、核に手を出すことだったが、どうやらその方向に出つつあるのではないかと、懸念が広がっている。
ウクライナにある原子力発電所4ヶ所について
ロシアがウクライナに侵攻してくる前は、ウクライナには、4箇所の原子力発電所で、15基の原子炉が稼働していた。これらは旧ソ連の元、1970年代、1980年代に設立されたものである。
今回攻撃された南ウクライナ原発とザポリージャ原発が南部にあり、フメリニツキーとリブネ原発がウクライナ西部にある。北部にあったチェルノブイリ原発は、1986年の事故以来、停止しているが、一時ロシア軍に占拠された時期もあった。
なんとも危険な状況であり、とりなしが必要である。
www.nytimes.com/2022/09/19/world/europe/ukraine-nuclear-plant-missile.html