サウジアラビアのメッカでは、17日、ハッジ(イスラム教巡礼)が始まった。しかし、世界中で今も新型コロナ、特に変異デルタ株が蔓延していることを受け、サウジアラビア政府は今年も、国外からの巡礼を受け入れないことを決めた。
サウジアラビア(人口約3500万人)での新型コロナ感染は、1日1000人程度、重傷者は1300人で死者は毎日12-13人と、特に大きな爆発感染にはなっていない。
しかし、ハッジを受け入れてしまうと、世界中に250万人いるイスラム教徒がいっせいに入国して、超密状態になる。感染拡大が国内だけでなく、世界にも広がっていくと懸念されるためである。
今年、ハッジに参加できるのは、サウジアラビアに住んでいる人で、ワクチン接種を終えているわずか6万人(16-65歳)のみとされている。
昨年に続き、今年も、カーバ神殿の周りを回っている人は、パーソナルディスタンスを守りながら回る人々だけである。
<かなりハイテクなメッカの様子>
カーバ神殿での巡礼に参加する人は、スマホに記録されているワクチン接種の記録や、病歴、食事や交通機関情報などを提示して、中に入っている。入る人はガイドに導かれたグループごとの動きになる。またその動きは、遠隔で監視されている。
人々の移動は、完全なバブル方式。施設内では、ロボットが水を持ち回っている。
以下のアルジャジーラのニュースをみると、サウジアラビアのすぐれたコロナのIT管理を伺うことができる。またきている人は、裕福な人だけにもみえる。
イスラム教とにとって、メッカへのハッジは、一生に一度の夢である。それが2年も開催されていないことは、特に、来年はないかもしれない、高齢のイスラム教徒にとって、つらいことのようである。
このロックダウンの経済への影響も大きい。ハッジでは毎年、80億ドル(9000億円)の経済効果があるという。それが2年もないわけである。しかし、サウジアラビアは裕福なので、それが大きな影響になっている様子はなさそうである。
*以下は2012年のハッジの様子