目次
ガザ激戦中・カタール経由でハマスから交渉申し出
10日、イスラム教ラマダンが始まったが、イスラエル軍は、ガザやレバノンでもハマス高官を殺害。ハンユニスだけでなく、ガザ全土で激しい戦闘を継続し、大勢のハマス戦闘員を打倒している。いわば波に乗っている状態かもしれない。
ガザ南部のハンユニスの破壊は、想像をこえる破壊の様相である。
こうした中ではあったが、カタールは、ラマダンが始まってからも、水面下でのハマスとイスラエルの停戦にむけた交渉を継続していた。
そうして、最も衝突が懸念されているラマダン最初の金曜の直前になって、ハマスが、停戦にむけた新たな案を提示してきた。
イスラエルは、本日金曜12時(日本時間午後19時)に戦時閣議で協議すると仲介国に返答している。
*ハマスの停戦・人質返還条件案とは
これまでに伝えられている報道によると、ハマスは、まず第一段階として、イスラエル人の女性と子供、高齢者と病気の人質を返還する。
イスラエルはその代わりに700-1000人(終身刑のテロリスト100人含む)のパレスチナ人囚人を釈放する。この時イスラエル人の女性新兵も釈放と言っている。(ちょっと意味不明)
この第一段階において、イスラエルの撤退の時期を決める。その後、第二段階に入り、残りの人質が解放され、イスラエルもパレスチナ人の囚人全部が解放することになるとハマスは言っている。
イスラエルのメディアは、ハマスが多少、柔軟になったと好意的な感じで報道したとみられている。しかし、首相府は、「ハマスは非現実的な要求を継続しながら足場固めをしている。」との声明を出し、結果は、金曜日の閣議後の発表すると発表した。
www.jpost.com/breaking-news/article-792037
人質家族代表:ネタニヤフ首相に受け入れを要請
人質家族たちは、毎週、交渉による人質奪回を求めるデモを行っている。
ハマスの新案を受けて、昨夜、人質の20家族代表が、個人的に首相府に招かれ、ネタニヤフ首相とその妻サラさんと対話した。
家族たちは、無論、チャンスを逃すことなく、ハマスの案を受け入れて、愛する家族たちを取り戻してもらいたいと要請している。その責任は、ネタニヤフ首相にあると述べた。
人質代表団は、正式に、この案を検討することを求めるとの声明を出した。
地域の平和を壊しているのはネタニヤフ首相:アメリカ最高位のユダヤ人政治家が痛烈批判
しかし、これまでのネタニヤフ首相の様子からすると、今はガザのハマスを無力化する目標は変わっていない。人質問題でその決意がどう動くかだが、ハマスの復帰を許すことになる停戦は受け入れない可能性も否定できない。
こうした中、アメリカの上院多数党院内総務のチャック・シューマー氏(民主党のユダヤ人政治家)は、「ネタニヤフ首相が、極右政治家と共同し、地域の平和の障害になっている」と厳しく批判。イスラエルは、総選挙で政権を交代させるべきだとの物議醸す声明を出した。
今日、戦時閣議を通して、首相府がどんな結論を出すのか。その数時間後にラマダン最初の金曜日の祈りが始まる。
エルサレム旧市街の厳しい警備体制:警官3000人体制
ラマダンが始まって以来、エルサレムのアルアクサモスクには、毎日数万人が祈りに来ているが、これまでのところ、大きな問題は発生していない。
しかし、検問所での検査も厳しく、ハアレツ紙によると、東エルサレムのシュアハット在住で、通常、車で8-10分で行けるところ1時間もかかったとして、もはやアルアクサモスクに行くことを諦めたパレスチナ人も少なくないという。
今日は、ラマダン最初の金曜日で、イスラム教徒が最も宗教的になる日である。衝突を予期して、イスラエルの治安部隊は、入場に年齢制限(男性は10歳以下、55歳以上、女性50歳以上)を設け、暴徒になりやすい世代が、入らないようにする。また旧市街周辺の多くの通りが閉鎖される予定である。
それでも、少なくとも5万人が来ると予想されている。イスラエルの警察、国境警備隊は3000人体制で、治安維持にあたる。
石のひとりごと
今停戦になれば、ハマスが復帰して、前と同じことになる、今は打倒すべきだと確信を持って、ネタニヤフ首相は語っている。国民の半数以上は、その考えに同調しているとの結果も出ている。
とはいえ、人質家族の思いは無視できず、全世界が、イスラエルに対して停戦を求めているというのが現状である。しかし、大多数が常に正しいとは限らない。ネタニヤフ首相の決断が正しいとも限らないかもしれない。
主の計画はどこにあるのか。今夜、決断を下すネタニヤフ首相、閣僚たちを覚えて、また今夜、アルアクサモスクとその周辺地域の平穏のためにとりなしを。