世界に福音を伝えた教会:チャールストンの教会銃撃事件 2015.6.20

17日、アメリカのチャールストンで黒人の教会が襲撃され、バイブルスタディに来ていたクリスチャン9人が死亡した事件は、日本でも報じられていることと思う。

教会は、愛する家族とともにクレメンタ・ピンクネイ主任牧師(43)も失った。ピンクネイ牧師は、牧師であると同時に、最年少でサウスカロライナの議員となり、2000年からは上院議員でもあるという、非常に優秀な人物だった。

19日、犠牲となった教会員の家族たちが、法廷において、容疑者として逮捕されているダイラン・ルーフ(21)に対し、モニターを介してではあるが、直接メッセージを伝えた。 http://www.bbc.com/news/world-us-canada-33206084

容疑者に語った犠牲者家族は、大学生の息子を失った母親や、逆に母親を失った息子・娘などで、その痛みは想像を絶する。

犠牲者家族たちは涙ながらに、二度と消えない痛みを語りながらも犯人に向かって、赦す、もう赦していると宣言。悔い改めを求め、ある人はキリストの赦しを受け入れるようすすめ、憎しみは愛に勝てないとする福音を伝えた。

その様子がBBCなど世界のメディアにおいてトップニュースとなり、そのまま世界に流されている。

アメリカでは、このところ、白人の警察官による黒人への暴力行為が頻発し、暴動にもなって大きな社会問題になっている。今回の事件も白人の犯人が、黒人の教会を襲撃しているので、もしこれがクリスチャンでなかったら、大暴動になるところだった。

<白人からの人種差別を乗り越えて来た教会>

事件があった教会は、エマニュエル・アフリカ人・メソジスト・エピスコパル教会で、1800年代から続く、南部では最古と言われる伝統的な黒人のプロテスタントの教会。

白人による人種差別を受けながらも憎しみに支配されることに勝利し、黒人の自由を勝ち取ることに用いられた教会である。マルチン・ルーサー牧師もこの教会を訪問している。現在、教会員は1600人以上。

CNNによる教会の短い紹介/教会の歴史・今回犠牲になったピンクネイ牧師が語っている場面を含む
www.cnn.com/videos/us/2015/06/19/history-of-emanuel-african-methodist-episcopal-church-charleston-south-carolina-orig.cnn 

ピンクネイ牧師は、ビデオの中で、「教会は単に礼拝の場所なのではなく、私たちの社会に光を放つ場所です。歴史のミュージアムでもなく、人々の心に変化をもたらすところです。」と語っている。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。

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