ロックダウンの効果?感染者数は減少傾向か 2020.10.10

エルサレム:ヤッフォ通り スクリーンショット

イスラエルは、9月18日から秋の例祭の間中、一応のロックダウンということになっている。しかし、生活に必要なスーパーなどは開いているし、エルサレムのオープンマーケット、マハネイヤフダも開いているとのこと。バスもある程度は動いている。

家から1キロまでは出かけられるので、人々はどうにかして外出しているようである。(HP右横ビデオ参照)

旧市街にも、観光客はないが人の姿はある。イスラム地区は、普通ぐらいに人が歩いている。10月5日には、嘆きの壁では、仮庵中日に行われる祭司の祈りが執り行われた。

通常なら、祝福を受けんとする人で、嘆きの壁広場から、それを見下ろす通路など、夜明け前から昼ごろまで、押し合いへし合い状態になる。しかし、今年は、ばらばらと祈る祭司の末裔とされる人々ぐらいの人数が嘆きの壁の前にいたようである。その様子は、オンラインで、中継された。HP右にアップしている。

このような日常で、コロナに感染する人の数が減少傾向にある。金曜までの24時間中の新規感染者は、3693人であった。検査数4万8806人に対する陽性率は8%まで下がった。(目標は3%以下)

現在、陽性とされる人は5万9347人。重症者は、852人、人工呼吸器を要する患者は241人とまだ、減少する見込みがない。死者は、昨日22人、前々日40人で、現時点での合計は1886人。

ロックダウンがある程度、効果を上げているとの見方もあるが、例祭中で、外出度も検査も減っているだけにすぎないかもしれないと、ガムズ教授は、油断はまだ早いと語っている。

あまりにも多くの人が感染しているので、そろそろ集団抗体が形成されているのではとも思われるが、抗体を持っている人は、まだ5.5%と、集団抗体にはほど遠いとのデータが出ている。

<死者はどこに?遺体保存室の現状>

死者がかなりの数になってきているが、これほどの死者が出ているにもかかわらず、葬儀の様子や死者を出した家族のことはほとんどニュースに上がっていない。

しかし、実際にコロナで大事な家族を失った人は、コロナを甘くみないで、保健省の指示に従うよう、訴えている。

ラビ・ヒレル・ゴールドバーグは、先週、仮庵の祭りの初日、妻と幼いこども8人を置いて、急にこの世を去ってしまった。遺族は、ラビ・ゴールドバーグ本人が建てた仮庵で、悲しすぎる仮庵を過ごしている。

dashboard.jewishcontentnetwork.com/advertiser/landing-pages/breaking-news-rabbi-goldberg-died-on-erev-sukkot-his-widow-and-8-orphans-have-to-sit-alone-in-the-sukkah-he-just-built

イスラエルでは、コロナで死に至る人が必ずしも高齢者やハイリスクの人に限っておらず、あらゆる世代の人が入院しているという。

少し前の記事になるが、葬儀に大勢が集まれないので、オンラインでの葬儀も行われているとのこと。また、ユダヤ教では、その後、シェバと呼ばれる知人友人たちが、遺族を訪問し、7日間、ともに座って喪に服す期間がある。これもオンラインで、バーチャルなシェバの部屋が設けられたりもあったという。

www.jpost.com/israel-news/coronavirus-funerals-and-shiva-move-online-626407

ユダヤ教では、遺体を焼かないので、墓地にも困っているのではないかと思われるが、そうした情報はみつからない。ただ、ハイファでは、これからもまだ増え続ける死者のために、コンテナの霊安室が準備されたとのこと。

www.timesofisrael.com/8-months-into-pandemic-israel-is-readying-makeshift-morgues-how-did-it-happen/

今のロックダウンは、13日までで、そこから先のことについては、まだ明らかにはされていない。今の所、学校が始まるのは、早くても10月末と聞いている。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。