目次
感染止まらず・1日4万人超え
イスラエルでは、新型コロナの感染が文字通り爆発的になっており、11日、24時間で4万1154人の感染が確認された。実効再生産数(R)は、2.12と2を超えており、実際には、この1日だけで10万人ぐらいは感染しているともみられている。
現時点で、発熱など症状のある有症患者は、10日間で10倍以上の19万4523人。入院している人は698人で、このうち、重症と分類される人は253人。隔離している人は16万1382人。(イスラエル保健省データ)
感染者の中には、ラピード外相が含まれていた。発症はしておらず、元気に隔離しているとのこと。
先週、副外相が、マスクなしで外食していて陽性になり、ラピード外相が公に非難したとことろであった。この他、公共治安相含む議員複数の感染も明らかとなり、隔離している。
www.timesofisrael.com/lapid-tests-positive-for-covid-as-government-struggles-to-control-outbreak/
オミクロン株の感染は、これまでの株より重症化率が低いと言われ、重症とされる人でもその呼吸状態は、これまでの株の時よりは、そう酷くないとのこと。しかし、感染者数が増えるにつれて、重症者も増えてきていることから、ベネット首相は、重症者ベッドを4000床(前回は最大でも1500床)を準備するよう、指示を出した。
また、オミクロン株が、ワクチンを接種していない子供たちの間にも拡大しているため、シェバ医療センターでは、子供用のコロナ病棟を開設。まもなく2つ目が必要になるとの見通しとのこと。しかし、11日の時点で、隔離している医療従事者は全国で3800人。このうち542人は医師で、1000人が看護師となっている。
www.timesofisrael.com/1st-kids-omicron-ward-opens-with-classes-clowns-and-doctors-bracing-for-war/
この他、イスラエル軍では、1日の感染者が1000人規模で増えており、11日の時点で、大隊長2人を含む6380人の感染が確認された。IDFによると、これとは別に10日時点で隔離している兵士は、7000人いる。
軍では、予備役兵の訓練をキャンセルしたほか、前線の兵士は、帰宅しないようにするなどの対策が行われている。また、さまざまなカプセルシステムで行動したり、4回目接種を検討するなど、さまざまな対策がなされている。
オミクロン株は、ブレークスルー感染を起こすことが知られているが、ハアレツによると、今もまだワクチンを受けていない20歳以上の大人は、全体の約14%であるところ、重症化している人の45%はワクチン未接種者とのこと。
また超重症で、ECMOに依存している9人は、全員ワクチン未接種者である。
ベネット首相:数百万人が感染すると予想する中での3つの方針表明
オミクロン株は、重症化率はこれまでよりも低いと言われているが、労働力を奪って、社会を麻痺させるという、全くの予想外の危機を世界にもたらしている。政府は、陽性になったが無症状の人の隔離期間を10日から7日(最後の3日も無症状)に減らすとの指示に変更している。
ベネット首相は、火曜夜、国民に、今はもう感染を止めることは不可能になっており、この数週間に、感染者は、数百万人になっているだろうとの予想だとして、政府の方針は次の3つだと述べた。
①経済は止めない(ロックダウンをしてもしなくても感染拡大を止めることはできない)、②ハイリスクの高齢者や病気の人を保護する、③子供達を保護する。
高齢者と子供を保護するという点について、イスラエルでは、毎日40万件ものPCR検査が行われているが、それでも長蛇の列になったことから、無症状者の場合は、60歳以上に限定した他、子供達へは、家庭用に抗原検査キットを配布するなどして対処をこころみている。
ベネット首相は、ヘブライ語で記者会見し、質問に20分以上答えている。その後、外国メディアに対しても、英語で記者会見を開き、同様の説明を行った。