国連総会に合わせて、ネタニヤフ首相がニューヨークを訪問している。
1)国連総会
国連総会では、アッバス議長の後に演説した。
アッバス議長は、特に神殿の丘で、イスラエルが残虐なことを行い、右派議員が強行的に訪れて、その間は、イスラム教とが礼拝することを妨げると訴えた。(実際にはユダヤ人の方が神殿の丘に入るのを妨げられている)
さらに、ユダヤ過激派による、ダワブシェ一家の襲撃から、デイル・ヤシン村事件にまでさかのぼってイスラエルがいかに残虐であるかを訴え、一方でパレスチナは、平和的に平和を求めるていると世界に訴えた。(ナイフや投石によるパレスチナ人のテロ行為には触れず)
www.timesofisrael.com/full-text-of-abbas-2015-address-to-the-un-general-assembly/
これに対し、ネタニヤフ首相は、アッバス議長が述べたことにはほとんど触れず、アッバス議長に、直接の話し合いをするよう、エルサレムの国会に来るよう呼びかけた。自分もよろこんでラマラに行くと言った。
ただし、イスラエルは唯一のユダヤ人の国であることだけは譲れないと強調した。
2)オバマ大統領、アメリカ時期大統領候補両者と会談
ネタニヤフ首相がニューヨークを訪問しているのに合わせて、オバマ大統領との会談が行われ、続いて時期大統領候補たちとの会談が予定されている。
<健在!?アメリカとイスラエルの関係>
9月14日、アメリカは、イスラエルと結んでいる軍事支援の契約を新たに10年間延長するという契約にサインした。その額は、これまでの最高、380億ドル(3兆8000億円)にのぼる。
この契約は、前回、2009年に締結した10年契約(24億ドルの支援)が2018年に切れることから、更新という形で締結されたものである。支援額は、前期より10億ドル以上も増えている。
www.haaretz.com/israel-news/1.742074
過去7年間、この契約に至るまでのオバマ大統領とネタニヤフ首相との関係は、しばしば個人レベルにいたるまで最悪で、しばしばメディアを騒がせ、懸念されてきた。しかし、結局は、アメリカの軍事支援は確保できたということである。
これは、ネタニヤフ首相としては、大きな功績といえる。国連総会の一般演説でも、ネタニヤフ首相は、「国連はイスラエルを見捨てるが、アメリカは変わらず支援してくれる。」として両国の関係をアピールしている。
今回のニューヨークでのオバマ大統領とネタニヤフ首相の会談は、この契約の1週間後であった。会談は、わずか30分程度で終わり、その後の共同記者会見では、入植地関係の話もあったが、特記すべきことなく穏やかな様子であった。
www.haaretz.com/israel-news/1.743523
この後、本日25日日曜、ネタニヤフ首相は、これからの時代を念頭に、クリントン民主党候補、トランプ共和党候補とそれぞれと会談の予定。
両候補は、翌26日月曜にオハイオ州での最初の直接対面に挑むことになっている。両候補の直接対決は、選挙までに3回予定されているが、この最初の一回目で支持率が大きく定まってくる。
ネタニヤフ首相との面談はその直前ということになり、ユダヤ人や福音派キリスト教勢力も注目するところである。
なお、新しいアメリカ大統領は11月8日の選挙で決まるが、実際に交代するのは来年1月20日で、それまではオバマ大統領が政務にあたる。
www.jpost.com/Israel-News/Benjamin-Netanyahu/Netanyahu-to-meet-Clinton-Trump-today-468617