ネタニヤフ首相には、現在3件の収賄、詐欺、背信の汚職疑惑があり、昨年からその裁判が始まっている。現職首相の立場で、刑事裁判に出廷する首相は、イスラエル史上初めてである。
公判1回目は、当初昨年3月の予定であったところ、コロナ騒ぎで昨年5月に延期。この時ネタニヤフ首相は出廷したが、7月に行われた2回目に、ネタニヤフ首相は出廷しなかった。
その後、コロナによるロックダウンが続いたため、1月に予定されていた裁判はさらに延期された。しかし、2月5日朝、3回目裁判が行われ、ネタニヤフ首相は、エルサレム地方裁判所に、2回目の出廷を果たした。
ネタニヤフ首相は、4時間の裁判の中で、被告席に約20分立って、正式に容疑を否認。その後退廷を願い出て認められた。その後、コメントも記者会見もなかった。この裁判で何が決まったかはまだ明らかではない。
本来なら、今回から証人喚問が始まり、ネタニヤフ首相は週3回、出廷するという行程に入るはずであった。しかし、国会では、3月23日に総選挙が予定されており、現職首相が、それだけの時間を法廷で過ごすなどありえないことである。
ネタニヤフ首相の弁護団は、証人喚問を含む裁判は、3−4ヶ月先に伸ばすようにと要求している。これを決めるのはマンデルビット司法長官であるが、今回も、弁護団は、今はまだ司法長官からの明白な裁判開始の指示が出ていないと主張し、延期を求めている。
www.timesofisrael.com/netanyahu-in-court-for-corruption-trial-hearing-on-response-to-indictment/
なおネタニヤフ首相の容疑は、ハリウッドの億万長者から、高級シガーなどのギフトをを受け取っており、賄賂にあたるとされるケース1000、ケース2000。
また、一番深刻とされるケース4000は、ネタニヤフ首相が、通信会社ベゼックに総額540億円分に上ると換算される便宜を図る見返りとして、自身に有利になる記事をメディアに流させたという情報操作、つまり背信の疑いである。
mtolive.net/ネタニヤフ首相裁判:来年2月から本格的に再開へ/
<反ネタニヤフ首相デモ>
ネタニヤフ首相の裁判が行われたエルサレム地方裁判所前では、ネタニヤフ首相の有罪を訴える人々のデモが行われた。参加した人々は、ネタニヤフ首相は、辞任すべきだと言っている。ネタニヤフ首相は感染予防のため、デモには来ないよう、呼びかけていたのであった。
しかし、いくらデモを行っても、この裁判は、まだまだ時間がかかるとみられ、ネタニヤフ首相はうまくすり抜けていく様相である。