イスラエルでは、今年に入ってから、ナイフによる単独テロが頻発し、また神殿の丘問題も発生したりと相変わらず、危険なイメージがあるが、エルサレムポストによると。3月から5月までの3ヶ月でイスラエルを訪れた観光客は340万人で、昨年より5%増加した。
特に注目は中国人観光客。昨年に比べて69%も増えたという。ここイスラエルでもみやげものの爆買いをしている。観光省が、今後も注目するのは、中国人とロシア人観光客だという。
テロがあっても観光客が増えているのは、最近のテロが、自爆テロなどではなく、狙われるのは治安部隊と入植地ユダヤ人にほぼ限られていること。
また、イスラムのテロは、イスラエルだけでなく、欧米でもどこでも発生する時代になったこと。イスラエルの対テロ対策は世界一であるため、むしろ、他国より安全と言っても過言ではないかもしれない。
旧市街では、この2週間、神殿の丘関連でもめていたが、その間も、危険地域は治安部隊が必要に応じて閉鎖し、要所には多数の治安部隊が立っている。危険が去ったとなると、さっさと開放するので、観光客には影響がなかったのである。
イスラエルにとって観光業は、最大の収入源である。このままハマスやヒズボラとの戦争にならないでもらいたいものである。
www.jpost.com/In-Jerusalem/Tourists-vs-terrorists-499371
<平和なエルサレム?>
ニュースでは、どうしても紛争や衝突など、衝撃的な事件が、クローズアップされるので、常に街全体が戦闘状態にあるようにも思われがちだが、西エルサレムの街中は、ほぼ日常と変わりはない。
オープンマーケットのマハネイヤフダも、金曜は身動きがとれないほどの混雑で、誰も自爆テロのことなど考えていないだろう。
筆者宅のあるエルサレムの南部地域もアラブ人地区に囲まれているが、今の所、緊張感はない。特に安息日には、公共交通も止まるので、静かそのものである。さんさんとした太陽、雨はまったくなし。小鳥のさえずり、ほどよいそよ風。これがエルサレムの安息日である。
安息日、午前10時すぎになると、もよりのシナゴーグからは、きちんと正装したユダヤ人家族が、実に平和に、ゆったりと出てくる。小さな子供達も両親のまわりで、はしゃいでいたりする。
祈りのタリートをかけたおじさんたち2人が、話をしながら坂道をゆったりと上っていく。フィリピン人女性に手を引かれて出てくる高齢女性もいる。ユダヤ人がこれほど平安に、無防備に、安息日を守れるのはやはりエルサレム、イスラエルだけだろう。
とはいえ、ここではいつ何時、戦争や紛争になるかわからない。平和はいつでも崩れ得る。それは皆、知っているが、普段は考えてないだけである。いわば、テロや戦争は、この国の特徴の一つであり、社会の一面なのだと思う。
オリーブ山便りでは、できるだけ、総合的に現地の様子をお届けしたいと思う。