安息日開けの14日夕刻、雨の中、テルアビブの中心、ハビマ広場に、市民8万人以上が、傘をさして集結。新政権が出した司法制度の改革に反対を表明した。ハイファでも数千人、エルサレムでは、大統領官邸前に、1000人以上が集まり、同様に司法制度の改革への反対を訴えた。安息日明けの新政権に反発するデモは先週に続き2回目になる。
デモに参加していたのは、世俗派、LGBTQ関連の人々、アラブ系市民で、前にネタニヤフ首相の汚職疑惑を訴えて退陣を求めた3グループも参加していた。
A procession by one of the organizing groups: Crime Minister (the credit for the video is also theirs) pic.twitter.com/XhvfsvNpod
— Tal Schneider טל שניידר تال شنايدر (@talschneider) January 14, 2023
またネタニヤフ首相のいとこであるダン・ネタニヤフ氏はその母(ネタニヤフ首相の叔母)が、最高裁関係者でもあることから、今回の司法制度改革に反対を表明。デモの中で、「ネタニヤフ首相のしようとしていることは、かつてのナチスの時代のようだ。」と述べ、物議となった。
今回のデモを呼びかけたのは、国家統一党党首で元イスラエル軍参謀総長で元国防相のベニー・ガンツ氏だった。このため、テルアビブでのデモには、ガンツ氏自身はじめ、同じく国家統一党で元参謀総長のエイケンコット氏、左派労働党党首メラブ・ミハエリ氏と、前筆頭野党投手のツイッピー・リブニ氏、またアラブ政党ラアム党のアッバス氏、ハダッシュ・タル党のアイマン・オデー氏も参加していた。
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デモ隊は、「最高裁なしに民主主義はない。」などとプラカードを掲げて行進した。ヘルツォグ大統領に大統領の権限でこの改革を止めるように求める声もあった。アラブ政党ラアム党のアッバス氏は、デモに参加を呼びかける際、パレスチナの羽田は掲げないように指示していたが、実際には、パレスチナの旗もあった。
エルサレムでは、パレスチナの旗をかざしていた者と警察が衝突し、逮捕者も出たとのことである。
テルアビブでは、デモ隊の200人ほどが、主要幹線道路のアヤロン・ハイウエイに入ろうとして、警察と衝突した。ベングビール国内治安相は、この前日に、デモには、放水銃を使うなどして厳しく取り締まると警告していたが、実際には使われず、負傷者の報告はない。総じてデモは平和的に終了した。
ガンツ氏は、デモに参加した人々に感謝を述べ、これからも戦い続けると述べた。
なお、同じ左派(中道)勢ではあるが、現在の筆頭野党、未来がある党のラピード前首相も、司法制度改革には、厳しい批判を表明している。しかし、テルアビブのデモで、公に演説ができないとされたことから、デモには参加しなかった。
また、デモにユダヤ教正統派たちの参加があるかどうか注目されていたが、議員言うまでもなく、一般人も一人も参加していなかった。このため、デモは純粋に左派世俗派によるものであり、国民全体の声を代表したものではないということになり、デモの効果は限定的になる可能性がある。
www.timesofisrael.com/some-80000-rally-in-tel-aviv-against-governments-sweeping-judicial-overhaul/