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テルアビブのテロ現場バー・イルカ再オープン
先週7日に発生した銃撃テロで、イスラエル人男性3人が死亡、13人が負傷したテルアビブのバー・イルカが、事件からわずか4日目の11日、店を再オープンした。
集まった客は100人を超えた。その中にはベネット首相と、バレブ国内治安相の姿もあった。ベネット首相は、夜中少し前にバーに着いて、犠牲者を思うろうそくに点灯。2016年にもテロの被害にあったというこのバーの店長と座った。
「今日は、このバーのオーナーと、地元の人々を励ましたいと思いここに来た。ここで良い人々に対して、本当につらい事件が起こった。敵には絶対勝ち誇らせない。私たちは、犠牲者に代わって、日常に戻る。神の助けで、私たちは勝つのだ。」と集まった人々に語った。
店に来ていたギラッド・ハレルさん(22)も「恐れていたのでは、状況は改善しない。いずれは日常に戻らなければならないのだから、このように早く戻ることが健全なのであり、テロリストに勝つことになる」と語っている。
バレブ国内治安相は、殺された人々は覚えなけれなならないとし、「ひどい痛みとともに、今夜、このパブにはたくさんの命であふれている。将来を見ている。いくら傷つけても私たちが、破壊されてしまうことはない。」と語った。
www.timesofisrael.com/bennett-barlev-visit-as-tel-aviv-bar-hit-in-deadly-terror-attack-reopens/
石のひとりごと
さすが・・としか言いようがない。日本ではあり得ない光景だろう。
イスラエルでもこうした光景はしばらく見なかったのだが、またこんな様子を見るようになるとは、正直思っていなかった。
イスラエルでは実際のところ、常にいつテロが起こってもおかしくないのだが、人々は、通常はそれは考えないようにしている。それは、現実逃避ではないし、自分は大丈夫だろうという、根拠なき楽観でもない。
いつ自分がテロにあっても不思議はないということを否定していないのだが、それは考えないようにしているという感じである。
無理に恐怖を押し殺して、考えないようにしているというのではなく、恐れてないふりをしているのでもない。本当に考えていないのである。これを「異常な日常」と言われた時期もあった。
そうしてもし、いざ恐ろしいテロが起こってしまったら、あたかも何もなかったかのように、そのまま日常を続ける。それこそがテロへの反撃だと考えている。
もし、被害が自分や自分の家族であった場合は、「自分の番が来た」と考えている。それほど珍しくないことというのが、イスラエルの現実だということである。
だからこそ、たとえ、自分が犠牲者でなかったとしても、それが他人事ではないほどに、皆が痛みを覚えているようである。
うまく説明できたかどうかわからないが、それがホロコースト、限りない中東戦争、憎しみとテロの日常をを通ってきたユダヤ人とその人々の国、イスラエルに住んでいるうちに身に付く強さかもしれない。
誤解のないように・・決してテロを受け入れているわけではない。イスラエルは、犠牲者とその家族、またテロリスト本人とその家族のためにも、このテロの波が、これ以上続かないように全力を尽くしているということである。