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シリアからイスラエルに向けてミサイル計6発発射
過越入りの日に、ガザとレバノンからのミサイル攻撃を受けたイスラエル。緊張が続く中、8日から9日深夜には、シリアから2時間の間隔を空けて2回、計6発のミサイルが、ゴラン高原にむけて発射された。
最初の3発のうち、2発は、ゴラン高原のシリア内、1発はヨルダン、1発だけが、ゴラン高原イスラエル側の町に着弾したが、空き地だった。2時間後、再び3発が発射された。1発はシリアで不発。1発はイスラエルの迎撃ミサイルが撃墜。1発は、イスラエル側の空き地に着弾した。
被害はなかったが、イスラエルは、ミサイルの発射地と服数の軍関係地点、シリアのアサド大統領関連へも報復攻撃を実施した。
ヒズボラとハマスの会談:イランとシリアの会談
イスラエルに対する南北からの攻撃については、ハマスとヒズボラ、その背後にいるイランが協力体制の中で行っているとイスラエルは見ている。その緊張の中で、ハマスの指導者イシュマエル・ハニエと、ヒズボラのナスララ党首がレバノンの首都ベイルートで会談を行った。
さらに9日には、イランのライシ大統領と、シリアのアサド大統領が会談を行い、ラマダン中のエルサレムのアルアクサモスクにおける抵抗について話し合ったとのこと。
この緊張の時に堂々と、ハマスとヒズボラが会談を行う、シリアとイランが会談を行うということは、イスラエルに大きなチャレンジを見せつけた形である。イスラエルは現在、イスラエル軍、警察、両方で予備役を招集し、大きな紛争に備える構えを見せており、不穏な動きにみえる。
www.jpost.com/arab-israeli-conflict/article-738793
イスラエルを取り巻く状況:INSSのコーボー・ミハエル教授
イスラエルは、現在、5方向からの危機に直面している。①ガザ(ロケット弾)、②西岸地区(テロとイスラエル軍との衝突)、③南レバノン(ミサイル)、④国内アラブ人、⑤東エルサレムと神殿の丘
その背後で協調しながら動いているのが、①イラン、②ハマス、③イスラム聖戦、④ヒズボラである。
この4組織は、パレスチナ自治政府(ファタハ)を終わらせ、ハマスが西岸地区全体を支配するよう、自治政府とファタハに揺さぶりをかけているというのが、専門家の分析である。
ネタニヤフ首相と筆頭野党ラピード氏が治安について協議
イスラエルをとりまく状況はかなり厳しいといえる。ネタニヤフ首相は、筆頭野党のラピード氏と会談したが、ラピード氏は、首相に会う前より会った後の方が心配になったと語っている。
ラピード氏は、現在きちんとした防衛相がおらず、閣僚が決定していることに危機感を表明。またイスラエル軍の中でスモトリッチ氏、また警察庁の中で、ベングビル氏がそれぞれ、指揮権を持つ形になっており、防衛システムの指揮系統が統一されていないことに危機を表明した。
ラピード氏は、この危機的状況の中では、もっと小さい防衛閣議が必要だと語っている。