シファ病院近くのビルで、10月7日に拉致されたユディット・ウエイスさんの遺体が発見された。遺体とともに、ライフルや対戦車砲などがあったという。殺害がいつかは不明。人質で死亡が確認されたのは、ノア・マルキアノさん(19)に続いて2人目になる。
ユディットさんは、キブツ・べエリ在住の5人の母親である。今は退職しているが、キブツの幼稚園やダイニングで働いていたという。いわば典型的な、普通のキブツのおばちゃんだったと想像できる。
ユディットさんは、現在乳がんをわずらって、抗がん治療の真っ最中に拉致されていた。子供たちは、手遅れになる前に解放してほしいと訴え続けていた。5人の子供たちは、理由は不明だが、父親を30日前に失ったばかりだったという。
人質の家族たちは、今、テルアビブからエルサレムの首相官邸に向けて、人質解放を最優先にするよう訴えるマーチを行っている。
写真はその途中で、先に死亡が確認されたノアさん家族を訪問するデモ隊。
現在、カタールが仲介して、イスラエルとハマスの間で、数日の停戦と引き換えに数十人の人質を解放するといった交渉が行われていると報じられている。
政府としては、人質の解放は無論、重要だが、ハマスに1日でも休息させることで戦況を変わってしまうことにもなりうるので受け入れが難しいのだが、人質が二人も死亡したことで、ますます大きなジレンマに立たされている。
石のひとりごと
キブツといえば、平和で穏便なところである。一生をそこですごしてきたユディットさん。普通のどこにでもいる、普通のお母さんだったと思う。
まさか、まさか、こんなことになるとは本人も家族もまったく考えていなかったと思うと、ことばにならない思いがする。