今週末、東エルサレム、旧市街などで発生したユダヤ人とパレスチナ人の暴力的な衝突については、26日に、イスラエルがダマスカス門周辺に若者たちのデモ騒ぎを抑えるために設置していたバリケードを除去して以来、一応、落ち着きを取り戻しているようである。
一方、ガザからイスラエル南部に撃ち込まれたロケット弾は、23日に36発、24日には4発、25日は5発と3日連続となった。イスラエルは、24日早朝にガザへ反撃の空爆を実施したが、その後の反撃は行わず、代わりに、ガザ沖の漁業海域を閉鎖した。漁業は、今のガザにとっては生命線である。
この状況を受けて、国連の中東和平交渉担当トール・ウェネスランド氏が、ガンツ国防相と会談。ガンツ国防相は、イスラエルは国民を守らなければならないとして、漁業海域の閉鎖は、最後の非軍事的手段であり、今後もガザからの攻撃が続く場合は、軍事行動に出るしかないと説明している。
この言葉通り、イスラエルは、戦車を含む地上部隊をガザとの国境に配備したとのこと。
ただし、今回のガザからの攻撃については、パレスチナ自治政府の総選挙が5月に迫っているため、イスラエルへの敵意を印象付けたいハマスの単なる政治活動の一環である可能性がある。ガンツ防衛相は、「パレスチナ人の政治問題にイスラエルを利用することを容認するつもりはない。」とウェネスランド氏に伝えた。
この記事を書いている最中、ガザからロケット弾がイスラエルに撃ち込まれたとのニュースが入っている。大きな軍事衝突になるのだろうか。そういうガザ内部では、新型コロナの感染が拡大し、死者も増えて、医療崩壊に近づいているという。イスラエルはどう動くべきか。難しい判断であろう。