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ガザの人道支援状況
戦闘開始から23日となり、ガザの民間人たちの様相は悲惨さを増している。激しい空爆で、死者数は、ガザからの情報によると8000人を超えた。ガザ南部では、避難民で触れ帰り、食料も水もなにもかもが不足している。
UNRWA(国連パレスチナ難民救済機関)のジュリエッタ・トーマ氏によると、人道支援物資の搬入が開始されてから、この1週間で搬入された人道支援物資は、トラック80台強にとどまっているとのこと。
トーマ氏によると、ガザは戦争前から外からの支援物資に頼る状態にあり、1日に500台分が入っていたという。それが、1週間で80台強とは、まさに大海の一滴である。燃料もまだ搬入されていない。
こうした中、29日、パレスチナ人数千人が、UNRWAの貯蔵庫に押し入り、小麦粉など食料を強奪して行った。国連は、ガザ南部が無法地帯化していると懸念を表明している。
ガザでは、イスラエルの攻撃で、電話やネットが不通になっている。混乱は想像を絶する。
イスラエルが水道管2本目を解放
ガザ市民の人道支援が急務になる中、イスラエルは、イスラエルからガザへ水を供給している水道管3本のうちの2本目を開放した。これにより、先に開放した1本目と合わせて、1日に2850万リットルが、ガザへ入ることになる。
これは以前供給していた4900万リットルの半分強にあたる。まだ足りないということである。
ハマスは物資を十分蓄積か:ニューヨークタイムス情報
市民が悲惨なことになっているが、ハマスは自分たちの食糧や燃料は、地下トンネルに十分蓄えているとイスラエルは主張している。ニューヨークタイムスによると、アラブと西側当局は、これに同意しているとのこと。
つまり、ハマスの目的であるイスラエル滅亡の目標達成のための武器や燃料、食料は、3―4ヶ月補給なしに戦うだけの用意が何年もかけて準備され、積み上げられているという。これをアラブと西側諸国も認めているということである。
最近釈放された人質によると、食事は、ハマスメンバーと同じで、2種類のチーズときうりだったと証言していた。しかし、ハマスがこれらを、ガザ市民のために、放出する可能性はない。ここからも、ハマスが市民のことを考えている組織ではないということは明白である。国際社会はなぜここに目をつむっているのだろうか。
www.nytimes.com/2023/10/27/world/middleeast/palestine-gazans-hamas-food.html
石のひとりごと
世界はこうした事態をまねいたことについて、イスラエルを非難する。直ちに停戦をと訴えている。
しかし、ここまで外からの支援に頼る社会にしたハマスの責任も大きい。2007年にハマスが支配についてから16年。ガザ地区は、社会構造、経済も悪化しつくした。戦争前の7月30日には、ハマスに対するデモも発生していたのである。
mtolive.net/ガザで反ハマス・デモ数千人規模-2023-8-1/
今また、市民が生きるための物資に不足して、とうとう国連の倉庫を強奪する事態になっている。それでも、ハマスは彼らに食糧も水も出さないのである。
ハマスのマインドコントロールで育てられた若者も少なくないであろうが、普通のガザの市民たちはいったい今、何を感じ、何を考えているのだろうか。彼らの声は、ほとんど聞こえてこない・・。