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パレスチナ人との紛争が連日続く中、大きな衝突が懸念されていた10日のエルサレム統一記念日。神殿の丘にあるアルアクサモスクでは、パレスチナ人たちが前夜から立て篭もり、投石用の大きな石を積み上げて、戦いの用意をしている様子が見られた。
早朝から神殿の丘で大規模衝突:パレスチナ人305人負傷・治安部隊21人負傷
10日、エルサレムの神殿の丘で、治安部隊へパレスチナ人の投石が始まったのは早朝からである。
パレスチナ人たちは、石やさまざまなものを投げつけてきたため、イスラエルの治安部隊が、神殿の丘からアルアクサモスク内部にまでに乗り込み、催涙弾や、ゴム弾、閃光弾(爆発音と閃光による威嚇弾で、殺傷能力はない)を使っての暴徒対処を行った。
イスラエルの治安部隊が、イスラムのモスクにまで入ることはほとんどないので、もしかしたらお引き入れられた可能性もあるかもしれない。
モスクに乗り込んだイスラエルの治安部隊の様子は、その前後関係にかかわらず、イスラム世界にとっては、許されない光景とうつってしまう。これではハマスの思う壺なのである。
המהומות בהר הבית | תיעוד: יידוי אבנים וירי זיקוקים לעבר כוחות המשטרה במתחם. על פי דיווחים פלסטיניים כמה מפגינים נפצעו מירי כדורי גומי וגז מדמיע, אחד מהם נפצע באורח קשה@SuleimanMas1 @nurityohanan pic.twitter.com/pwwbafji39
— כאן חדשות (@kann_news) May 10, 2021
紛争は夜まで続き、ガザから激しいロケット弾がイスラエルに、またエルサレムにも撃ち込まれていた頃、アルアクサモスクでは、炎が上がる事態となった。
この日の衝突で、さらにパレスチナ人305人が負傷。このうち205人が病院に搬送され、7人は重症とのこと(赤新月社報告)。イスラエルの治安部隊も21人が負傷した。
ユダヤ人男性ドライバーがリンチ寸前で救出
10日日中は、旧市街の外、ライオン門付近では、ユダヤ人男性が運転する車に投石し、車が歩道に乗り上げて動けなくなると、扉を開けて、中の運転手と同乗者に集団で、社内に石を投げつけて暴行を加えようとした。たまたま近くにいた警察官が銃を威嚇発射して暴徒からユダヤ人たちを救出したとのことである。
התיעוד המלא: הרכב של הנהג היהודי נרגם קשות באבנים והוא מאבד שליטה דורס אחד המיידים. אירוע קשה pic.twitter.com/xmW4h4CQZI
— Yossi Eli יוסי אלי (@Yossi_eli) May 10, 2021
パレスチナ人の若者たちは、「イスラエルが、イスラムの聖地アルアクサに踏み込んでくる。神殿の丘を取りに来る。アルアクサを守らなければならない。」と思い込んでおり、真剣に正しいことをしていると信じ込んで、ユダヤ人を襲撃している。
イスラエル軍でアラブ問題を担当するガッサン・アリアン司令官は、パレスチナ人に、「イスラエルは、全ての宗教の礼拝の自由を守ることに使命感を持っている。」と説明しようとしたとのこと。しかし、そんなユダヤ人の声が怒りに支配されているパレスチナ人に届くことはない。
ハマス報道官のサミ・アブ・ズーりは、「(イスラエルがやっていることは)虐殺であり戦犯である。今、パレスチナ人は皆、民族のために立ち上がり、占領者と戦わなければならない。アルアクサを武力で奪い取ったイスラエルは、ひどい傷を受けることになる。」と述べた。こういう情報が、多くのパレスチナ人の若者の心を支配しているということである。
www.timesofisrael.com/some-280-palestinians-9-cops-hurt-in-latest-heavy-clashes-in-jerusalem/
エルサレム統一記念日イベント
上記のように、東エルサレムでは激しい紛争が連日続き、エルサレム統一記念日の9日から10日にかけても東エルサレムは、かなりの混乱が続いていたが、西側のエルサレムは、通常と変わらない平穏な様子であった。
このため、10日の午後には、例年通り、西エルサレム市内の道路は封鎖され、歩行者天国になる中、シオニスト・ユースグループの若者たちの群れが、グレートシナゴーグ前に集まった。それぞれ、いくつもの輪になって、イスラエルの国旗を振りながら、54回目となる東西エルサレム統一を祝う集会を行った。
問題は、嘆きの壁へのマーチであった。例年なら、そこから東エルサレムに向かい、ダマスカス門を通って、嘆きの壁までマーチし、嘆きの壁広場で、再大きな集会を行うことになっている。
しかし、ダマスカス者は、発火地点の様相である。警察は、ギリギリになって経路が変更するよう指令を出した。大勢のシオニストの若者たちは、イスラエルの旗を振りながら、ダマスカス門ではなく、アルメニア地区からユダヤ地区を経由するヤッフォ門経由して、嘆きの壁に向かったのであった。
若者たちは、時々輪になって踊りながら、旧市街に入り、嘆きの壁広場に到着すると、旗をふり、歌い踊って喜びを表現していた。しかし、その上のアルアクサモスク周辺では、火炎瓶が飛び、時々閃光弾が光って、やがて激しい炎が燃え上がる様子が見られた。(以下クリップ42分ぐらいから)
さすがに、壁直近のスペースからは下がっているが、広場での踊りは続行していたようである。
巨大なイスラエルの旗を広げる様子も見られた。しかし、神殿の丘への入場は禁止されたままであった。
10日午後6時すぎ、エルサレムでもガザからのミサイルによるサイレンが鳴り、安全な場所へ逃げる人々の様子も伝えられている。