水曜夜、アシュケロンとエイラットを結ぶ石油のパイプラインが、自動車がぶつかったと見られる事故で損傷し、大量の重油が、イスラエル南部、エブロナ自然保護区(エイラット北部20キロ)砂漠に流出した。
数時間で損傷は修復したものの、数百万リットル(大型タンカー40台分)の重油が砂漠の中に黒い川のように流出している。ハアレツ紙によると、その長さは7キロに及ぶ。
激しい原油のにおいはヨルダンにまで広がった。ヨルダン政府によると、アカバ(エイラットの隣)では80人が呼吸困難で病院へ搬送されたという。イスラエルでは国道90号線が、50キロ手前で、通行止めとなった。
今後まずは、原油に引火するなどの危険性を排除し、燃やすか、化学反応による中和、物質の除去と除染をしなければならない。しかし、あまりにも広範囲に重油が流出しているため、元の自然に戻すには年単位の時間がかかるとみられる。
また、汚染された地域は、自然保護区で、珍しい植物やは虫類、鹿、鳥類が生息する地域だった。これらの生物が影響を受けることは避けられず、重油除去作業で地形も変わってしまうことになる。イスラエル史上最悪の自然破壊になった。
アルーツ7によると、こうした自然への損失とともに、流出した原油の損害は、600-700万シェケル(約2億円)、その後の重油撤去、自然のリハビリテーションも含めると、損害額は、3000万シェケル(約9億円)とみられている。
なお、このパイプラインは1957年にイランからヨーロッパへ原油を送るパイプラインとして作られたが、近年、アシュケロンとエイラットを結ぶパイプラインとして使われていた。
www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/188270#.VIFbPKW9DCs (写真あり)