カナダから移住し、今はイスラエル国籍となっているジル・ローゼンバーグさん(32)が、イラクのクルド自治区で9ヶ月間、ボランティア戦闘員としてISISと戦い、7月初頭、無事にイスラエルへ帰還した。
ジルさんは、ISISの人質になったとか殺害されたなどの情報が流れ、イスラエル国内では一時騒然となったが、フェイスブックで無事を連絡してくるという経過があった。
証言によると、ジルさんはクルド勢力の女性部隊とともに、ISIS最前線から2キロの地点で銃をとって警備に加わった。直接ISISメンバーに会った事はないが、ミサイルが飛んで来ていたという。
帰国を決めた動機として、ジルさんは、帰国前の数週間、クルド人をとりまく戦況は大きく変わって来ていたと語っている。イラクでは、いろいろなイスラム組織が乱立している状態なのだが、どの組織もできるだけ領地を確保しようとして、収集のつかない混乱に陥り始めたというのである。
その混乱に乗じて、イランの進出が目立ってきているのは確かだと語る。そのイラン軍はクルド人への攻撃もし始めている。
ジルさんによると、クルド人は、皆、親イスラエルだという。クルド人は世界からも忘れられがちだが、イスラエルからのボランティアが来たことで、大きな励ましになれたと語った。
しかし、こうした人物の存在はイスラエル政府にとっては複雑であろう。ジルさんが万が一、ISISやアルカイダの人質になっていた場合、これはイスラエル政府にとっては、想像を超える問題になっていたはずである。カナダも当然まきこまれる。
無事に戻って来て何よりだった。