先週始まった仮庵の祭り。神殿の丘では、既に数回、パレスチナ人と治安部隊の衝突が発生。路面電車が投石される事件も発生している。一方で過激なユダヤ人がモスクに火を投げ込む値札行為も発生している。
しかし、そうした危険なエリア以外では、学校が休みということもあり、エルサレム市内は、どっちをむいてもかなり込み合っている。嘆きの壁は、お正月の神社のように身動きできないほどの混み具合である。
その人ごみ中、神殿の丘での任務を終えたと思われる、ものものしく真っ黒に完全武装した暴動機動隊が出て来た。日本なら何事かと思う光景だが、ここでは「いつものこと」なので、だれも機動隊に注意を払う人はいない。
また、最高の気候とゴールデンウィークとあって、シリアとは目と鼻の先であるゴラン高原でも、キャンプやバーベキューをしたり、フラ・バレーに来ている野鳥を見に行ったりする家族連れでにぎわっている。
天からみれば、地獄の様相のシリアの真横で、イスラエル人家族が平和を謳歌している様子が見えることだろう。
<クリスチャンの仮庵の祭り>
今年もICEJ(International Christian Embassy/国際クリスチャンエンバシー)の仮庵の祭りカンファレンスが開かれている。参加者は、80カ国から4500人。
ICEJは、様々なクリスチャン団体の中でも、最も古くからイスラエルをサポートする団体で、政治的にもイスラエル政府の大きな信頼を得ている。このカンファレンスは今年33年目を迎える。
メイン会場は、9月にオープンしたばかりのエルサレムアリーナ(11600席)。エルサレムのバルカット市長より、ICEJに使用の申し出があり、実現した。もちろん無料ではない。このイベントがイスラエルにもたらす経済効果は今年は1500万ドル(16億円)と試算され、イスラエルでは、最大の観光イベントなのである。
今年は、世界ユダヤ人総会のロナルド・ランダー氏、イスラエルのルーベン・リブリン大統領が、直接カンファレンスに来て、イスラエルをサポートするクリスチャンたちに謝意を述べた。
ICEJからも、カンファレンスに参加する世界各国の議員20名が、あらためてイスラエルへのサポートを表明。ユダヤ人とクリスチャンは共に立ち上がってISISなどイスラム勢力に虐殺されている中東のクリスチャンのために立ち上がらなければならないとの共同声明を出した。
*恒例エルサレム・マーチに日本もエントリー
このイベントの大きな目玉は、エルサレム・マーチ。今年は14日、イスラエル人諸団体に続いて、ICEJからも、世界80カ国、5000人からの代表団が、それぞれの民族衣装で、エルサレム市内をマーチし、クリスチャンとして、イスラエルへのサポートを沿道のイスラエル人たちに伝えた。
このカンファレンスは、どちらかといえば欧米系で、参加費もかなり高価とあって、日本からの参加はほとんどない。そのため、これまでに日本が、このマーチにエントリーすることはめったになかった。(ブラジル日系人が、時々日の丸を揚げていた)
今年は、エルサレム在住の日本人集会から特別に参加させてもらい、正式に日本の国旗を掲げることができた。「ヤパン、ヤパン」と沿道のユダヤ人たちが声をかけてくれた。