例祭中エルサレムは3夜連続の衝突:西岸地区ではテロリスト実家を小規模ミサイルで破壊 2022.9.28

東エルサレムを取り締まる警察 26日  写真 Israel Police

パレスチナ人との衝突がエスカレートする中、例祭中はさらにテロの危険が懸念される。このため、イスラエルは、西岸地区、ガザとの国境を閉鎖して、市民の安全を図っている。今の所、市内の平穏は保たれているが、東エルサレムや神殿の丘、西岸地区では、衝突が発生している。

緊張続く神殿の丘と東エルサレム

神殿の丘では、ユダヤ人の来訪者があることから、警備が強化されているが、新年の前日から3夜連続で、神殿の丘や東エルサレムのパレスチナ人地域で、衝突が発生している。

神殿の丘は、かつては神殿があったユダヤ人の聖地ではあるが、今はハラム・アッシャリフとよばれるイスラムの聖地であり、ヨルダンのイスラム組織ワクフが管理する場所である。ハマスはじめ、過激派パレスチナ組織は、ユダヤ人の来訪を敵視している。

しかし、ユダヤ人の間では第三神殿推進派や右派勢が増える傾向にある。Times of Israelによると、神殿の丘を訪問するユダヤ人の数は増える傾向にあり、昨年だけで、神殿の丘へ入ったユダヤ人は累計で5万人だったという。

ユダヤ教の秋の例祭は、10月中旬まで続くため、衝突はまだまだ続くと予測されている。

www.timesofisrael.com/police-clash-with-protesters-in-east-jerusalem-for-3rd-straight-night/

西岸地区ジェニンのテロリスト実家を小規模ミサイルで破壊

西岸地区での衝突は、さらに深刻で、すべてはわからないのだが、ジェニンなどでは、パレスチナ人の間で死者も出ている。

こうした中、28日朝、イスラエル軍が、今年4月に、テルアビブの繁華街ディーゼンゴフ通りのバー・イルカで銃を乱射し、3人を殺害したテロリスト、ラアド・ハゼムの実家を小さいミサイルで爆破したとパレスチナメディアが報じた。

テルアビブでのテロ事件は以下の通り。過越前に若い男性たち3人が殺された悲惨な事件である。テロリストのハゼムは、事件後逃亡を図ったが、治安部隊にみつかり、反抗したために射殺された。ハゼムの父親と兄弟は、ハゼムを称賛し、その後、指名手配になっている。その一家の家を破壊したということである。

mtolive.net/テルアビブでのテロ犠牲者3人に:過越前の悲しい/

パレスチナ自治政府側の報道によると、27日の一連の衝突で、1人が死亡。9人が負傷しているとのこと。例祭中もかわらず、危険な場所で働いているユダヤ人たちもいるということである。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。