www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4674956,00.html
ラマダン開始から2週間が経過した。イスラエルでは、前回のニュース以後も死傷者を出すほどの大きなテロ事件が少なくとも2件、発生している。
29日、ベツレヘム近郊ラケルの墓近くにある検問所で、パレスチナ人女性テロリスト(20)が、女性イスラエル兵士(20)の首を刺した。兵士は病院へ搬送されたが重傷から中等度だったが、幸い回復に向かってる。
逮捕された女性テロリストは、はっきりと「イスラエル兵を殺しに来た。」と言い、ナイフを他に3つも所持していた。
その同じ日の夜、入植地でバスケットを楽しんで帰路についていたイスラエル人の車が襲撃され、1人が重傷、3人が中等度の負傷となった
この襲撃で重傷を負ったマラキ・ローゼンフェルドさん(26)は、翌30日夜に死亡。ラマダンが始まってからのテロでの死者は3人目となった。
マラキさん一家は、13年前の2002年に、イスラエル軍パイロットだったもう一人の息子イツハクーメナヘムさん(22)を兵役中(?)の事故で失っている。 http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/197575#.VZRMYaW9BCs
この他29日には、エルサレムの旧市街の神殿の丘で、ユダヤ人一行に対して、靴や石をなげつける事件が発生し、一時大騒ぎとなった。負傷者はなし。
<西岸地区ナブルス: ハマスの西岸地区本部設立計画を摘発>
www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4674956,00.html
イスラエルの治安組織シンベトは1日、ここ数ヶ月かけて西岸地区、ナブルスとその周辺でハマス関係者40人を逮捕し、大量の金(ジュエリーのような金)も押収したと発表した。
シンベトによると、ハマスは、西岸地区からイスラエルへの攻撃の拠点となるよう、ナブルスに、訓練所を含む大きな中央司令部を建設する計画だったもよう。
金は、その建設、活動資金として、ヨルダンから密輸していたという。
<政府に対処を求める市民> http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/197574#.VZRNYqW9BCs
ラマダンが始まって以来、テロが増加し、すでに3名の犠牲者も出たのだが、イスラエル軍は、西岸地区に駐留する治安部隊を増強しただけで、特にめだった反撃はしていない。
ラマダン期間中なので、反撃によってさらにテロが増える可能性を危惧しているのではないかと思われるが、入植地では「政府は治安維持にもっと力を入れるべきだ」とするデモが行われた。
また1日夜には、エルサレムの首相官邸前に市民約1000人が集まって、政府は何をしているのかといった抗議デモを行った。
右派ユダヤの家党のベネット党首は、ネタニヤフ首相に対し、テロ増加に対し、報復として凍結している入植地の建設を再開すべきだと主張した。
また、ラマダンだからというので出しているパレスチナ人の特別入国許可を、危険だからということでキャンセルすべきと訴えた。http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4675282,00.html
<エルサレム市内の様子>
以上のような不穏な事件が続いているせいか、エルサレムでは、時にひっきりなしに上空を監視(?)のヘリコプターが回り続ける時がある。
けっこうやかましいが、それ以外は、マーケットも町も、普段とまったく変わらない混み具合で、表向きはいつもとかわらない平和な様子である。しかし、ニュースにはならない程度のテロ事件は、けっこう発生しているのではないかと思われることがあった。
29日、神殿の丘で乱闘になった時、記者は30人ほどのグループとともに、ちょうど神殿の丘にいた。神殿の丘の南端にいたため、気がつかないうちに事件が終わっており、巻き込まれることはなかった。
しかし、誘導されて神殿の丘から出た直後、一行のうちのユダヤ人男性アブラムさんがいつのまにかどこかへ連れ込まれ、数人のパレスチナ人に、ボコボコにされて警察に保護されていた。
犯人3人はその場で逮捕。指名手配中のパレスチナ人だったため、警察はアブラムさんに感謝を述べたという。
笑い話にもならないが、夕方になるまで、アブラムさんがいないことにだれも気がつかなかった。夕方に町でたまたまアブラムさんに会ったのだが、衣服は一部引き裂かれ、足に傷、頭や腕など、あちこちにこぶができ、まさに文字通りのボコボコになっていた。
幸いこぶだけなので病院にいく必要はなかったとのこと。ニュースにはなっていないが、こうした小規模なテロはけっこうあるのだろう。
<夏休み始まる>
治安状態は落ち着かないが、それはそれとして、7月1日には、子供たちの長い夏休みが始まった。
ペタ・ハティクバでは、全長300メートルのプール滑り台が設置され、大勢の親子づれでにぎわった。
www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4675231,00.html
また30日、草の根運動の一つ、Kids4Peaceが、イスラム教徒の家族が、ラマダンの断食開けの食卓にユダヤ人家族を招くというイベントをエルサレム市内で実施した。
このイベントに申し込んだユダヤ人家族は25家族。小さな子供たちを連れて、会った事のないイスラム教徒家族を訪問している。http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4674173,00.html
<石のひとりごと>
イスラエルで、大規模なテロがいまのところ数件で収まっているのは、テロがそれだけしか発生していないのではなく、その何倍もの数のケースが未然に防がれているからである。
祈りは別として、イスラエルは、見えないところで、スパイを送り込み、ハイテク機器を駆使して情報収集を行い、警戒態勢を非常に無駄なく、必要最小限のプランで効果的に展開している。
旧市街を歩くと、要所と思われる場所には必ず、モスグリーンの国境警備隊員が数人一組で立っている。最近パレスチナ人がナイフで襲ってくるせいか、警備隊員たちは、ポリスと書いた青い柵のむこうに立っている。
定期的に2人組の兵士が巡回しているので、ほぼ数分置きに、イスラエルの警察官か、国境警備員、または兵士たちに出会う。多くが20才そこそこの若者たちなのだが、彼らを見るとなんとも安堵する。ありがたい存在だ。
彼らは職業軍人ではない。大学生が軍服を着ただけである。しかし、今彼らが一番狙われる率が高いのである。
普通の息子娘たちが、旧市街や西岸地区、検問所で警備に立っていると思ってとりなしていただければ幸いである。また、過激な行動に出ようとするパレスチナ人の若者もあまり変わらない年齢だ。
ラマダン期間中、イスラエル兵の若者と、特にパレスチナの若者や少年たちを覚えてとりなしを!