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イスラエル人がアメリカへビザなし入国へ
日本人は、アメリカに前もってのビザを取得しなくても、電子渡航認証に記入するだけで、90日を上限として入国することができる。これは、日本が、アメリカのVWP(Visa Waiver Program)ビザ免許の加盟国であるためである。
先週27日、アメリカは、イスラエルが世界41番目のVWP加盟国になると、正式な発表を行った。
アメリカで実際にこのシステムでのイスラエル人の入国を開始するのは、空港でのシステム構築が完成する11月30日以降とみられている。
イスラエル人の多くは、アメリカはじめ、ヨーロッパなどすでにVWPに加盟する国の国籍と併用して持っているため、そのパスポートで、問題なく、アメリカへ入国していたと考えられる。しかし、それ以外のイスラエル人は、アメリカ領事館でビザを申請し、数ヶ月は待たなければならなかった。
今後、滞在が90日以内であれば、この手間がなくなるので、今後イスラエル人たちの渡米がかなり便利になる。
www.timesofisrael.com/us-admits-israel-into-visa-waiver-program-in-major-boost-to-bilateral-ties/
イスラエルの課題?:パレスチナ人がイスラエルへ入国できる
イスラエルとアメリカが友好国であるのに、VWP開始が、なぜ今になったのか
その背景には、イスラエルが、テロ防止上、たとえアメリカ国籍者であっても、問題となりうるばパレスチナ人のや、イスラム教徒アラブ人の入国を拒否してきたことがあげられる。
特にパレスチナ人については、ベン・グリオン空港の利用もほぼ禁止とされていることから、海外へ出る場合は、たとえアメリカ国籍所有者あっても、ヨルダンを経由しなければならなかった。明らかに人種差別的ではあるが、イスラエルは治安維持状の権利だと主張してきたのであった。
これに対し、アメリカは、イスラエルがVWPに加盟する条件として、アメリカ国籍を持つパレスチナ人については、イスラエルも彼らのビザ免除をすることとベン・グリオン空港からの出入りを許可することを上げていた。イスラエルは長くこれを拒否してきたが、今回、これを認めたということである。
ロイターによると、この合意に至る前に、イスラエルは、試験期間として、この7月30日から、アメリカ国籍を持つパレスチナ人の入国を緩和していたという。すでに13万人のアメリカ国籍者が、イスラエルにビザ免除の状態で入国。このうち6070人がパレスチナ人であった。その結果をもって、今回のアメリカとの合意に至ったということである。
Times of Israelの記事によると、西岸地区に住むパレスチナ人約7万人が、アメリカ国籍を持っている。この人々は、今後、ベン・グリオン空港を利用して海外に行き、最長90日まで、イスラエルにも滞在できるようになる。
ガザでは、700人がアメリカ国籍を持っているとされる。しかし、ガザは、アメリカがテロ組織に指定するハマスが支配する地域であるため、アメリカ人が、ガザへ入ることは奨励していない。ガザ在住者については、西岸地区在住者と同じ扱いにはならないとみられている。
ESTAエスタ(電子入国許可証)取得について
ESTAエスタとは、VWPで入国する人が、PC上で入国許可証を取るシステムである。
実際には、さまざまな質問事項に回答することを通して、アメリカが危険なテロ支配国とされる地域に行ったことがあるなど、詳しく記入しなければならず、そういう場合は、許可証は出ないということになる。
jp.usembassy.gov/ja/visas-ja/esta-information-ja/
イスラエル人の場合は、18歳以上が条件。10年以上有効な生体認証つきのパスポートを持っていることとされる。
www.reuters.com/world/us-admit-israel-into-visa-waiver-program-2023-09-27/
ネタニヤフ首相に白星か
イスラエルがアメリカのVWP加盟することになり、イスラエル人は、もうアメリカ領事館に行かなくてもよくなる。ネタニヤフ首相には白星になると言われている。ネタニヤフ首相は、バンデン政権に深い感謝を表明した。以下は、双方が、喜びをもって、このニュースを伝えている様子。