アメリカ・カリフォルニア州サンディエゴ郊外ポーウェイで、27日(土)朝11:23、過越最終日の礼拝が行われていたユダヤ教ハバッド派のシナゴーグで銃撃テロが発生。ローリー・カヤさん(60)人が死亡。
このシナゴーグのラビ・イスロエル・ゴールドステインが、指を1本失う傷を負った他、数年前に、イスラエル(スデロット)からアメリカへ移住していたノヤ・ダーハンさん(8)と、そのおじのアルモグ・ペレツさん(31)が負傷した。
テロリストは、極右の白人主義者ジョン・アーネスト(19)。アーネストは、事件当時シナゴーグにいた100人ほどに向かって銃を8発は乱射し、逃亡したが、非番でシナゴーグに来ていたユダヤ人警察官が、犯人に発砲した。
アーネストは、自ら警察に電話し、居場所を連絡したため、まもなく逮捕された。
<19歳:優秀性の犯行>
アーネストによると、10ほど発銃を発射したところで、どういうわけか、それ以上、撃てなくなったという。50発もの未使用の弾を持ったまま逃げていた。銃の扱いを誤った可能性がある。もっと多くの犠牲者が出ることはまぬかれたようである。
www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5502073,00.html
まだ取り調べ中だが、アーネストは犯行に及ぶ前、極右に人気のサイトに、「老いも若きも、ユダヤ人すべてに責任がある。彼らは地獄へ行くべきだ。俺がそこへ送り届けてやる。」と、書き込んでいた。
さらに、自分のあとに続いて、同様の行為に及ぶ者が続くことを望むとも書いていたという。3月から、モスクへ放火した疑いで調べが進められていた。今の所、一匹狼犯で、組織との関連はないようである。
www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5500471,00.html
調べで憎しみ犯罪(ヘイト・クライム)による殺人と判断された場合、アーネストは、死刑になるか、終身刑も可能である。アーネストに反省や後悔の様子はなく、殺人も放火の罪でもなくしてほしいと言っている。
アーネストは、学業、スポーツ、音楽にも優れた学生であった。家族も友人も晴天の霹靂であるらしく、親は、「我が家は白人主義ではない。」とし、息子の弁護士費用は出さないとも言っている。
今回、犠牲となったカヤさんは、家族や友人たちにおいしいハラ(安息日のパン)を焼く、暖かい主婦だったという。葬儀には、600人が参列した。
<トランプ大統領:電話でイスラエル支持を表明>
トランプ大統領は、事件後、ラビ・ゴールドステインに電話をかけていた。ラビが、反ユダヤ主義にどう対処するのかと問うたところ、トランプ大統領は、「私の婿と孫たちはユダヤ人だ。私はイスラエルを愛しているし、イスラエルを支持している。
大使館をエルサレムへ移動させたし、ゴラン高原の合併も認めた。」と答えたという。しかし、アメリカ国内での反ユダヤ主義に対しては無策であることも指摘されている。
www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/262396
アメリカでは、6ヶ月前に、ピッツバーグのシナゴーグで銃撃テロがあり、11人が死亡したばかり。ラビ・ゴールドステインは、セキュリティーを雇う経済的余裕がないとして、メンバーの警察官に、万が一に備え、常に武装しておくよう、要請していたという。
ヨーロッパだけでなく、アメリカでも反ユダヤ主義を、懸念しなければならない時代に入ったことは、もはや否定できないだろう